アジア市場向けとされるAMDの新型GPU「Radeon RX 9070 GRE」が、GPU-Z最新版により存在を確認された。192ビットバス上に12GBのGDDR6メモリを搭載し、Navi 48ダイの縮小版を採用した本製品は、同じく未発表の「Radeon RX 9060 XT」より先行して登場する可能性が高いとされる。

GPU-Zのv2.65.0アップデートは、新たにRadeon RX 9070 GREをサポート対象とし、発売が近いことを裏付けた。これにより、Radeon RX 9060 XTに代わって、NVIDIA RTX 5060 Tiへの対抗モデルとして9070 GREが選ばれた可能性が浮上している。搭載メモリ帯域幅の点でRTXのGDDR7採用に迫る構成であることも、投入時期や地域を超えた販売展開の鍵となるかもしれない。

GPU-Zにより確認されたRadeon RX 9070 GREの仕様と登場時期

GPU-Zの最新版(v2.65.0)において「Radeon RX 9070 GRE」が新たにサポートリストに追加され、その存在が公式ツールを通じて明確化された。これにより、かねてよりアジア市場を中心に噂されていた同GPUの実在性が裏付けられた形である。スペックとしては、192ビットのメモリインターフェース上に12GBのGDDR6メモリを搭載し、Navi 48の縮小版ダイを採用している。これらの特徴は、既存のRX 9070およびRX 9070 XTとは差別化された設計であり、コストと性能のバランスを重視した中位モデルであることを示唆する。

また、GPU-Zが新製品への対応を行うタイミングは、例年通り製品発表の直前もしくは同時であるため、発売が目前に迫っていることが予想される。注目すべきは、「Radeon RX 9060 XT」よりも先行して市場投入される可能性がある点であり、これはAMDがラインアップ構成を再考した結果とも受け取れる。

この構成変更は、競合であるNVIDIAの「GeForce RTX 5060 Ti」への対抗措置としての側面も持ち、マーケット投入の順序そのものに戦略的意味合いが含まれていると見る向きもある。

RX 9060 XTとの差異と性能調整への意図

Radeon RX 9060 XTは、当初GeForce RTX 5060 Tiと競合する位置づけであったが、最近のリーク情報により、同モデルはRX 9070 XTの約半分の演算ユニット構成であることが明らかになった。この構成では、帯域幅や演算性能の両面でNVIDIAの最新GPUと渡り合うには難があるとみられる。そこで、よりハイスペックな構成を持つRX 9070 GREが、急遽その役割を引き継ぐ形となった可能性がある。

RX 9070 GREは、12GBのGDDR6メモリと192ビットバスという構成により、GDDR7を採用するとされるRTX 5060 Tiと比較しても、帯域幅で大きく劣らない競争力を確保できる設計となっている。AMDが本モデルの優先投入を判断した背景には、性能的な対抗力を重視した戦略変更が存在することが考えられる。このような仕様の調整は、単なるスペック競争にとどまらず、販売地域や価格帯によって柔軟に対応する意図を含んでいる可能性がある。

これにより、RX 9060 XTはより廉価な構成として後発投入されるシナリオも考えられ、ラインアップ全体の位置づけに再定義が生じることとなる。これは、AMDにとってNVIDIAへの対抗戦略をより精緻化する動きと見られ、今後の製品展開における重要な布石となる可能性がある。

Source:TweakTown