Samsungは、厳しい環境下でも使用可能な堅牢設計の新型スマートフォン「Galaxy XCover7 Pro」とタブレット「Galaxy Tab Active5 Pro」を発表した。IP68等級の防塵防水性能とMIL-STD-810H準拠の耐久性を備え、どちらもSnapdragon 7s Gen 3を搭載し、Android 15で動作する。

注目すべきは、ユーザーが自ら交換できるバッテリーと、濡れた状態でも操作可能な防水Sペンの搭載であり、現場作業や物流などの用途に最適とされる。Tab Active5 Proはデュアルホットスワップ対応バッテリーと前面NFCを備え、XCover7 Proは最大120Hzのリフレッシュレートを誇る。

両機はAI機能やプログラム可能なキーなどの業務向け機能も搭載し、モバイル端末の堅牢性と利便性の両立を図っている。Samsungは2011年以降、同シリーズで堅牢端末の市場を継続的に開拓してきた経緯があり、本発表はその戦略の延長線上にある。

最新モデルに見る堅牢設計の進化と業務用途への最適化

Samsungが発表したGalaxy XCover7 ProとGalaxy Tab Active5 Proは、IP68等級の防塵防水性と米国軍事規格MIL-STD-810Hに準拠した耐衝撃性能を備え、過酷な環境下での使用を想定した設計となっている。XCover7 Proは6.6インチFHD+ディスプレイ、最大120Hzのリフレッシュレート、50MPカメラ、そして4,350mAhの交換式バッテリーを搭載。

一方、Tab Active5 Proは10.1インチのWUXGAディスプレイと10,100mAhのホットスワップ対応バッテリーを装備し、濡れた手でも使えるSペンを採用している。いずれもSnapdragon 7s Gen 3とAndroid 15を搭載し、Wi-Fi 6EやデュアルSIM、5G通信に対応するなど、現代の通信要件も満たす構成である。

加えて、前面NFC搭載(Tab Active5 Pro)、プログラム可能な物理キーの存在、AI機能の導入により、流通・建設・製造など多様な業務領域における実用性を高めている。特に、バッテリーのユーザー交換とホットスワップに対応した点は、長時間稼働が求められる現場でのダウンタイム最小化に寄与する設計といえる。

こうした仕様は、従来の「堅牢=重くて不便」という印象を覆すものであり、Samsungの現場重視の製品開発姿勢が明確に表れている。

AIと物理機能の融合による業務支援ツールとしての成熟

新たなGalaxy XCover7 ProとTab Active5 Proは、堅牢性に加えAIツールの実装によって、デバイスの「業務支援機能」としての完成度を高めている。たとえば、Googleの「Circle to Search」や「Object Eraser」、「Read Aloud」などの機能は、現場での即時情報取得や書類読み上げ、不要物の画像除去といった作業効率の向上に直結する可能性を秘めている。

また、プッシュ・トゥ・トークやバーコードスキャン機能といった従来の業務端末に求められてきた基本的操作系も、専用キーによって即時起動が可能となっており、直感的な操作を実現している。さらに、Tab Active5 Proに追加された前面NFCは、支払い処理や認証手段としての活用が見込まれ、屋外や店舗業務でも即戦力となるだろう。

これらの機能群は、ハードとソフトの境界を越えた統合的なアプローチで設計されており、単なる耐久性重視の端末ではなく、「スマート業務端末」としての地位確立を目指している姿勢が感じられる。今後、業務現場における端末選定において、こうしたAI統合型の堅牢端末が主流の一角を占める可能性は十分にある。

Source:ExtremeTech