Rocket Lab(ティッカー:RKLB)の株価は、米国空軍および英国政府から総額数十億ドルにのぼる極超音速プログラム契約を獲得したことを受け、2024年4月15日に一時15%急騰した。特に米国空軍との460億ドル規模の契約や、英国防省による13億ドルの先進技術開発プログラムへの採用が注目されている。

Stifelはこの成果を「打ち上げ事業の転換点」と位置づけ、12か月以内に株価が27ドルに達する可能性を指摘しており、現在の株価水準から25%超の上昇余地を見込む。年初来で35%以上下落していたRKLB株にとっては、反転の契機となる可能性がある。一方で、同社の売上は前年同期比で121%増と急成長を示しており、防衛分野における信頼性が今後の収益基盤強化につながるかが注目される。

米英両政府による極超音速契約がRocket Labの事業基盤を強化

Rocket Labは2024年4月、米国空軍および英国防省から極超音速技術に関する大型契約を獲得した。米国空軍との契約は、460億ドル規模のプログラムにおいて、技術革新と迅速なソリューション提供を担う企業の一社として選定されたものであり、これは同社にとって戦略的意義の大きい成果といえる。さらに、英国政府が主導する13億ドル規模の先進極超音速プログラムにも採用されており、Rocket Labの技術が大西洋両岸で認められた形となった。

これらの契約は、民間宇宙企業としてのRocket Labが、国家防衛という極めて高い要求水準を満たせる存在であることを示す証左と捉えられる。加えて、同社が運用する極超音速実験機「HASTE」は、米国国防総省に対してすでに3度の打ち上げに成功しており、こうした実績の積み上げが今回の選定に直結したと見られる。これにより、同社の信頼性と収益の安定性は大きく高まる可能性がある。ただし、契約はあくまで中長期的な収益基盤形成の前提であり、成果が実現されるまでには継続的な実証と技術進化が求められる。

株価急騰と評価見直しの背景にある市場の期待と注意点

Rocket Labの株価は、契約発表当日の2024年4月15日に最大15%上昇する動きを見せた。これは、市場が米英両政府との大型契約を、同社の成長ストーリーにとって画期的な展開と捉えた結果である。ただし、年初来での株価はなお35%以上下落しており、今回の上昇がその回復基調の始点となるか否かは、今後の受注履行状況に左右される可能性がある。

Stifelは、今回の契約を「打ち上げ事業にとって重要な節目」と位置づけており、同社株に対する「買い」評価を再確認したうえで、12か月以内に最大27ドルへの上昇余地を示唆している。また、他のウォール街のアナリストも、目標株価の平均を24.68ドルと見積もり、約15%の上昇を予測している。短期的な市場反応としてはポジティブな評価が支配的であるものの、過去の価格変動の振れ幅を踏まえれば、投資家には依然として慎重な判断が求められる状況にある。

収益成長の面では、Rocket Labの最新四半期売上が前年同期比で121%増加し、1億3200万ドルに達した点は評価に値する。ただし、この成長の持続性と、新規契約による利益反映までのタイムラグには注視が必要であり、期待先行によるバリュエーションの過熱には一定の警戒が必要となろう。

Source: Barchart