Appleは2025年9月にiPhone 17と同時にApple Watch Series 11を発表すると見られており、UltraやSEの新モデルも加わる可能性が高い。シリーズ11は大幅なデザイン変更を避けつつ、より明るく軽量なディスプレイと新プロセッサ「S11」を搭載すると予想される。

一方、血圧トラッキングや折りたたみディスプレイ、さらにはカメラ内蔵といった技術革新も噂されており、Appleが進めるAI連携やウェアラブル単体での機能強化の布石として注目を集める。ただし、こうした機能の一部は特許段階にとどまり、今後数年での実装にとどまる可能性もある。

価格は関税の影響で変動の可能性があるが、アルミモデルで399ドル前後とされ、バッテリー性能や健康機能の進化と共に市場での存在感をさらに高めることになりそうだ。

新型チップS11とLTPOディスプレイが示すAppleの戦略的進化

Apple Watch Series 11には、従来よりも性能向上と省電力化が見込まれる新プロセッサ「S11」の搭載が予測されている。また、Ultra 3への導入が噂されるLTPOディスプレイは、より高効率なバッテリー管理と、画面の常時表示性能に影響を与えると見られている。LTPOはリフレッシュレートを柔軟に制御する特性があり、これによりバッテリーの持続時間とユーザー体験が両立される可能性がある。

一方、Series 11では従来通りのベゼルレス大画面を維持しつつ、さらなる軽量化と明度の向上が図られるとされる。これは、外観の大幅な刷新を伴わずに技術的刷新を重ねるAppleの定石に沿った設計方針である。デザインを固定しながら内部仕様を洗練させていくこの戦略は、製品の継続的な進化とコスト管理の両立に寄与する。

Apple Watchは現在、競合するAndroid系スマートウォッチに対してバッテリー面での遅れが指摘される場面もあった。だが、こうしたプロセッサとディスプレイの進化が実現すれば、性能と省電力の両立という課題に対する一定の回答となりうる。Appleが次に打つ布石は、技術革新とユーザーの期待のギャップをどう埋めるかにある。

血圧測定やカメラ搭載構想が映すウェアラブルの次なる地平

Apple Watch Series 11における健康関連機能の強化として、血圧トラッキングや画像認識用カメラの搭載が取り沙汰されている。血圧測定に関しては、Appleが数年来テストを続けているとされるが、精度やセンサーの小型化といった課題から、今期の搭載は確定していない。これは既にOmronなどが商品化している分野でもあり、Appleが実装する場合は他社を上回るUXや連携性が求められる。

また、カメラについても従来の「自撮り」用途ではなく、AIによる画像認識や文脈解析の機能と結びつけた形での搭載が検討されているとされる。iPhoneの「Apple Intelligence」が先行しており、今後のwatchOSへの応用も視野にある。だが、技術的ハードルやユーザーのプライバシーへの配慮を踏まえ、実装は早くても数年先となる可能性が高い。

ウェアラブルの本質的価値は、ユーザーの身体情報を高度にセンシングし、生活と連携させる点にある。Appleがその未来をどこまで具現化できるかは、これら新機能の実装時期や完成度にかかっている。機能の拡張と同時に、ユーザーが求める「信頼性」と「自然な体験」をどこまで提供できるかが、製品の命運を握る。

Source:CNET