中国のChuwiは、同社のWindowsタブレット「Hi10 X1」の新バージョンを発表した。今回のモデルは、旧来のIntel N100からN150への小幅なCPUアップグレードを施し、価格は209ドルに設定されている。8GBのRAMと256GB SATA SSDを搭載し、Windows 11環境で基本的なx86アプリケーションを安定して動作させる構成である。

画面は1280×800のIPS液晶を採用し、WiFi 6やUSB PD対応のUSB-Cを含む多彩なポート類も装備するなど、低価格帯ながら一定の実用性を備える。キーボードは別売で30ドル、モバイル用途を想定した軽量設計と3,400mAhバッテリーを組み合わせ、教育用やセカンドデバイスとしての需要が見込まれる。

Chuwi Hi10 X1が示す超低価格タブレットの新基準

Chuwiが発表した新型Hi10 X1は、Intel N150プロセッサを搭載し、209ドルという破格の価格帯で市場に投入された。旧モデルのN100からのCPU強化により、わずかではあるが処理性能の向上が見込まれる一方、依然として高負荷処理には向かない構成であることも明示されている。本モデルは、軽量なアプリケーションに特化した設計思想を貫いており、教育分野や業務補助端末としての利用に適している。

スペック面では、8GBのLPDDR4 RAMと256GBのSATA SSDを採用し、ストレージ速度こそ限定的であるが、コスト重視の設計としては妥当と評価できる。ディスプレイは1280×800のIPS液晶で視認性を確保しつつ、映像や画像用途での過剰な期待は禁物である。Chuwiはまた、WiFi 6やUSB PDに対応するUSB Type-C、micro HDMIなど、多彩なインターフェースも搭載し、拡張性に配慮している。

このような構成と価格設定は、低価格帯のWindowsタブレットにおける新たな実用基準を提示している。単なる廉価製品ではなく、実用性とコストバランスを見極めた製品戦略として、今後の同カテゴリーの製品開発にも一定の影響を及ぼす可能性がある。

価格と実用性を両立させたモバイル構成の巧妙さ

Hi10 X1が備えるポート構成と設計のバランスには、モバイル用途を意識した明確な戦略が読み取れる。USB Type-Cによる充電と映像出力、さらにmicro HDMIやフルサイズUSB Type-A、ヘッドフォンジャックまで装備されており、別売のキーボード(30ドル)を加えれば簡易ラップトップとしても活用可能である。

重量607g、厚さ10mmと可搬性にも優れ、外出先での文書作成やブラウジング用途に適した設計がなされている。

ただし、256GBのSSDはPCIeではなくSATA規格であり、現代的な高速アクセスには劣る。にもかかわらず、Windows 11環境において多くのx86アプリケーションを問題なく動作させる点は注目に値する。Chuwiはこれまでにもコストを抑えつつWindows搭載デバイスを展開してきたが、Hi10 X1はその路線を踏襲しつつ実用性をさらに磨いた印象がある。

このような構成は、特定の高性能用途には向かないものの、教育・リモートワーク・業務サブデバイスといった明確な使用目的において、価格対効果の高い選択肢となる。中華ブランドの中でもChuwiが独自の存在感を維持している背景には、このような需要の的確な捉え方と製品構成の設計哲学があると言える。

Source:NotebookCheck