Microsoftは、クラシック版Outlookのバージョン2406(ビルド17726.20126)において、文字入力時にCPU使用率が異常上昇する不具合が確認されたことを公式に発表した。影響はCurrent ChannelやInsider Channelsを通じて配信されたバージョンに及び、CPU使用率が20〜50%に達するケースや、Intel Core i9-14900HX搭載環境で温度が95度に上昇した事例も報告されている。

同社は回避策として、Semi-Annual Channelへの切り替えを推奨しており、コマンドラインによるレジストリ編集で移行が可能と案内している。Outlookチームによる恒久的な修正は未発表であり、現時点ではアップデートチャネルの変更が最も現実的な対処とされている。

アップデートチャネルの影響とレジストリによる暫定対応策

クラシックOutlookで確認されたCPU使用率の急上昇は、特定のアップデートチャネルに依存して発生している点が注目される。具体的には、Current Channel、Monthly Enterprise Channel、およびInsider Channelsを利用しているユーザー環境において、バージョン2406(ビルド17726.20126)においてこの問題が顕在化している。

入力時にCPU負荷が20%から50%に達することが報告され、特に高性能プロセッサを搭載したシステムでも例外ではない事例が確認されている。

Microsoftはこの問題に対し、Semi-Annual Channelへの切り替えを公式に回避策として提示しており、これは問題の影響を受けない唯一のチャネルとされている。

コマンドプロンプトを管理者権限で開き、特定のレジストリキーを追加することでチャンネルを変更する手順が明記されており、更新オプションからの即時更新が可能とされる。ただし、ITに不慣れなユーザーにとってはこの操作は敷居が高く、システム管理者の介入が必要となる可能性もある。レジストリ編集が伴う一時対応であることからも、恒久的な修正の早期提供が望まれる。

ハードウェアへの影響と継続的な運用リスク

この不具合の深刻さは、単なるアプリケーションの挙動にとどまらず、システム全体に波及するリスクをはらんでいる。Intel Core i9-14900HXを搭載した高性能ノートPCにおいても、「新規メッセージ」ウィンドウを開いただけでCPU温度が95度に達するとの報告があり、過熱によるシステムのクラッシュやフリーズといった物理的影響も無視できない。

こうした状況は、高負荷時の冷却性能に依存する環境において、重要な業務や長時間作業に支障を来す恐れがある。

一部ユーザーは、アドインの無効化やグラフィックアクセラレーションのオフ、スペルチェック機能の停止といった対処を試みたものの、根本的な解決には至っていない。これは、問題の原因が単一機能に限定されず、複合的なUI処理やバックグラウンド動作に起因する可能性を示唆する。

Microsoft Outlookが依然として業務利用における中核的ツールであることを考慮すれば、問題が長期化した場合、信頼性に対する評価に影響を与えることは避けられない。全社的なアップデート方針の見直しを迫られる企業も現れる可能性がある。

Source:Digital Trends