Qualcommが開発を進める第2世代Snapdragon Xプロセッサに関し、最大22%の性能向上が見込まれているとの情報が、中国の著名ブロガーから明らかとなった。投稿では、Oryonコアを搭載し、TSMCの4nm世代であるN4Pプロセス技術を用いたCPUが最大4.4GHzで動作する可能性が示唆されている。

この情報は、Snapdragon X Eliteの後継モデルとされるSC8480XPの性能推定に基づくもので、2025年に登場予定とされる。現時点では、クロック周波数による向上かアーキテクチャ改善によるものかは明確でなく、また競合製品との比較で十分な優位性が得られるかは不透明である。

ただし、投稿者の信頼性や韓国の金融アナリストによる再評価もあり、一定の説得力を持つ見方として業界内で注目され始めている。

第2世代Snapdragon Xの性能向上に関する具体的数値と仕様

中国の著名ブロガー「Focused Digital」によると、次世代Snapdragon Xプロセッサは、前世代比で最大22%の性能向上が見込まれている。この情報は、TSMCの4nm世代N4Pプロセスで製造されたOryonコアを搭載し、ベースクロックが3.0~3.8GHz、ブーストクロックが4.0~4.3GHz、最大では4.4GHzに達するとされる構成に基づく。該当モデルは、2024年9月に社内テストが始まったとされるSC8480XPである。

Snapdragon Xシリーズは元々、AppleシリコンやAMD・Intelのx86系プロセッサに対抗する形で設計されたが、第2世代ではアーキテクチャの最適化とクロック向上の両面から強化が図られている可能性がある。ただし、現在の情報はあくまで初期段階のものであり、最終的な仕様や市場投入時期は未確定のままである。

本リークは、中国発の一次情報を韓国のブロガーが再共有したもので、後者は金融業界の関係者から情報を得ている可能性も示唆されている。このような拡散経路における信憑性の見極めも、今後の動向を判断する上での要点となる。

競争環境とSnapdragon Xの位置づけに対する分析

Snapdragon Xシリーズが2025年に市場投入される場合、AppleのMシリーズや、同年に刷新される見込みのIntelおよびAMD製モバイル向けプロセッサとの競合が避けられない。仮に22%の性能向上が事実であっても、それが競争優位に直結するとは限らず、電力効率、AI機能統合、ソフトウェア最適化の各要素が総合的な評価を左右する要因となる。

特に注目すべきは、現時点でリークされている性能向上が主にクロック上昇に依存している可能性がある点である。もしもアーキテクチャ上の大幅な革新が伴わない場合、競合他社が同時期に投入する高効率・高性能製品との比較で、Snapdragon Xが相対的に埋没するリスクも排除できない。

また、Dellの非公式ロードマップに基づく2026年投入モデルとの整合性を踏まえると、今回のSC8480XPは短期的な移行モデルという位置づけも想定される。すなわち、本製品の真価は製品単体の性能というより、Qualcommが中長期的にPC市場で確立しようとする戦略全体の中で評価すべきものである。

Source:Tom’s Hardware