Microsoftは、Classic Outlookアプリにおいて文字入力時にCPU使用率が異常に上昇するバグが発生していることを明らかにした。対象はバージョン2406 ビルド17726.20126以降を含む複数の配信チャネルで、タスクマネージャーを開いた状態で文字入力を行うと30~50%に達することがあると報告されている。
この挙動は旧世代CPU使用時を除き通常では考えにくく、Microsoftも明確にバグとして認識している。現在、根本的な修正には至っておらず、Semi Annual Channelへの更新チャネル切り替えが推奨されているが、他の問題が生じる可能性も残る。
Office Deployment Toolまたはレジストリ編集によるチャンネル変更方法が提示されている一方で、最終的な解決策は未定のままであり、引き続きユーザー側での対処が求められる状況にある。
高CPU使用率の発生条件と対象バージョン

Microsoftが明かした不具合の中心は、Classic Outlookにおける文字入力操作に起因するCPU使用率の異常な上昇である。問題は、Windows環境でClassic Outlookを用いてメール作成中にCPUリソースが急激に消費されるというもので、一時的に30〜50%もの高負荷を示す例が確認されている。タスクマネージャー上でこの挙動を視覚的に捉えることができる点は、影響の明確な可視化を可能にしている。
該当するのは、「バージョン2406 ビルド17726.20126」以降にアップデートされたCurrent Channel、Monthly Enterprise Channel、Insiderチャネルなどの更新系統である。これらのチャネルは企業内で広く用いられることが多く、導入範囲の広さが影響の大きさを物語る。Microsoftはこの不具合について、ハードウェア性能とは無関係に発生していると示しており、現象の再現性と深刻度を強調している。
現時点で明らかになっているのは、問題の発生が特定の入力操作に限定されること、そして根本的な修正がまだ提供されていないという事実である。こうした状況下では、エンドユーザーの混乱や業務支障の拡大が懸念される。
暫定的な回避策と運用上の懸念
Microsoftが推奨する回避策は、更新チャネルをSemi Annual Channel(半年チャネル)に切り替えるというものである。このチャネルは安定性を重視した長期配信モデルであり、今回のような不具合が回避されていると報告されている。Office Deployment Tool(ODT)やレジストリ編集によりこの設定変更は可能であり、企業ユーザーに対しても適用しやすい対応が整備されている。
一方で、半年チャネルには最新版の機能が即座に反映されないという特性があるため、機能面の制約や互換性問題を抱えるリスクも無視できない。また、レジストリを操作する手順は一般利用者にとって障壁が高く、誤操作による別のトラブルを誘発する可能性もある。Microsoftはこの切り替えを「回避策」として提示しており、恒久的な修正を待つ必要があることを示唆している。
こうした暫定的対応に依存する体制は、継続的な業務運用に不安定さをもたらす。今後のアップデートにおいて、修正パッチがどのような形で提供されるかが、運用負荷の軽減と信頼性回復の鍵を握ることとなる。
Source:Neowin