AppleのiPad Air 4とSamsungのGalaxy Tab S7 FEは、ミッドレンジタブレットの中でも特に注目される2機種である。iPad Air 4はA14 Bionicチップと高精細なLiquid Retinaディスプレイを備え、動画編集やデザイン用途にも耐えうる処理性能が魅力。一方、Galaxy Tab S7 FEは12.4インチの大画面と長時間駆動のバッテリー、そしてS Pen同梱というコストパフォーマンスの高さが光る。
OS面では、直感的な操作とApple製品との連携に強みを持つiPadOSに対し、カスタマイズ性に富むOne UIとSamsung DeXによるPCライクな運用が可能なTab S7 FEのAndroid陣営も健闘。価格帯やアクセサリの有無も含めて、どこに価値を求めるかで選択は変わってくる。
iPad Air 4は高精細ディスプレイと高性能チップで作業用途に優れる

iPad Air 4は10.9インチのLiquid Retinaディスプレイを搭載し、P3広色域やTrue Toneに対応することで、色彩表現に優れた視覚体験を提供する。写真や動画の編集において、画面の精度は作業効率に直結するため、この点はプロユースにも十分応える仕様である。また、処理性能の面ではA14 Bionicチップを搭載しており、アプリの立ち上げやマルチタスクもスムーズにこなせる点が強みとなっている。
さらに、AnTuTuベンチマークでは60万点超という結果が示すように、タブレットとしての総合性能はハイレベルに仕上がっている。iPadOSの安定性とApple Pencil(第2世代)への対応も相まって、細かな作業における操作精度やレスポンスの良さが際立つ。Apple独自のエコシステムとの親和性も高く、MacやiPhoneとの連携を含めた一貫した作業環境を構築しやすい。
ただし、価格帯はやや高めであり、Apple Pencilが別売である点には注意が必要である。とはいえ、処理能力・画質・ソフトウェア連携を総合的に評価すれば、iPad Air 4は作業目的のデバイスとして確かな選択肢といえる。
Galaxy Tab S7 FEはコスパ重視の大画面タブレットとして存在感を放つ
Galaxy Tab S7 FEは12.4インチという大型ディスプレイを備えており、画面の広さを活かしたマルチタスクやメディア視聴に適している。TFT LCDの採用により画質面ではiPadに及ばないが、大画面ゆえに複数アプリの同時使用やSplit Viewでの作業がしやすく、日常的な用途には十分なスペックを備えている。また、S Penが標準で同梱されており、追加費用なしで手書き入力やメモ機能を活用できるのは大きな利点だ。
Snapdragon 750GはAnTuTuベンチマークで約40万点とされており、動画視聴や軽作業には不自由しない性能である。さらに、One UIとAndroid 13によるカスタマイズ性、Samsung DeXによるデスクトップモードの活用など、使い方次第で生産性の向上も見込める。特にパソコンライクな運用を求めるユーザーにとっては、DeX対応は魅力的なポイントといえる。
価格もiPadより抑えられており、スタイラス付きでコストパフォーマンスを重視する層にとってはバランスの良い選択肢である。ただし、高度な画像編集やプロフェッショナルな用途を前提とする場合、性能差が明確に出る場面があるため、自身の使用目的に応じた見極めが求められる。
Source:Analytics Insight