Appleは、watchOS 11.5の第2ベータ版を開発者向けに公開した。今回のアップデートには、Xcode 16.4を使用したSDKが含まれ、互換性のある全モデルのApple Watchで動作可能となっている。公式ドキュメントによれば、複数のシステムバグが修正されており、従来のベータ版と同様に約1ヶ月のテスト期間が設けられる見込みである。なお、過去のアップデートで導入されたLGBTプライド壁紙などの象徴的な変更は現時点では確認されていない。

新機能の追加というよりは、安定性の向上とセキュリティ強化を主軸とした内容であり、watchOSの進化というよりも下支えを担う役割が強い印象を受ける。今後パブリックベータとしての配信も予定されており、一般ユーザーが利用できる日も遠くないだろう。

Xcode 16.4対応SDKを搭載しシステム安定性が向上

watchOS 11.5 beta 2には、Xcode 16.4を用いた最新SDKが含まれており、開発者にとってより高度なアプリテストが可能となる。今回のアップデートは、全対応モデルのApple Watchで利用できるようになっており、特定のモデルに依存しない形で安定したパフォーマンスを提供する点が特徴である。Appleはこれまでも、ベータ段階での不具合修正に力を入れてきたが、今回も複数のバグ解消が明言されており、機能追加よりも完成度の底上げが重視された構成となっている。

watchOS 11.4においてはMatter対応やアラーム機能の調整が行われた実績があるが、今回の11.5では特定の新機能よりも既存機能の最適化に焦点が当てられている点が見受けられる。Appleのこうした姿勢は、日常的にApple Watchを使用する上での信頼性確保につながる一方で、目新しさを求める層にはやや物足りなく映る可能性もある。とはいえ、堅実な進化こそが長期的な快適さにつながることを示す内容である。

公開ベータへの展開とインストール条件の現実的な壁

watchOS 11.5 beta 2は現在開発者向けの提供に留まっているが、Appleの通例に従えば近日中にパブリックベータ版も公開される見込みである。インストール手順としては、iPhoneの「Watch」アプリから該当設定にアクセスし、ダウンロード・インストールまでを一貫して行う形式が採られており、操作性は比較的簡便である。ただし、バッテリー残量が50%以上あるか、充電器に接続されていなければインストールが開始されないという条件がある点には注意が必要だ。

特にバッテリー条件に関しては、外出時のアップデートには不向きであり、帰宅後や就寝時に自宅で行うことが前提となる。日常生活の中でApple Watchを長時間装着する使い方が一般化している現在、この条件が意外と大きなハードルになっているとの声もある。また、今回のアップデートに象徴的なLGBTプライド壁紙が含まれていない可能性があることから、一部ユーザーにとっては期待していた変更点が見送られた印象も否めない。今後のリリースでの補完が注目される。

Source:GEARRICE