Appleは4月に配信したiOS 18.4に起因するCarPlayの深刻な不具合に対応すべく、修正アップデートとなるiOS 18.4.1を公開した。対象となる問題は、ホンダ、マツダ、アウディ、フォードを含む複数車種で報告されており、無線接続の不安定化やミュージックアプリの操作不良、音量の異常変動などが含まれる。
Appleの公式リリースでは「一部車両での無線CarPlay接続に関するまれな問題の修正」とされており、全件対応されたかは不明なものの、利用者からの広範な不満に応える初動とみられる。
各自動車メーカーに広がったCarPlay接続不良の実態

iOS 18.4の配信後、ホンダ、マツダ、アウディ、フォードといった複数の主要自動車ブランドでCarPlayの不具合が確認された。報告によれば、無線接続が頻繁に切断される、ミュージックアプリの操作が不能になる、再生中の音量が曲ごとに不規則に変動するといった問題が相次いで発生していた。
特にホンダの一部車種では、CarPlayを起動するためにケーブルの抜き差しや車両の再起動を複数回求められるなど、運転時の実用性に大きな影響を及ぼしていた。このような不具合は、単なるユーザー体験の低下にとどまらず、運転中の注意力を削ぐ要因となりかねない。
AppleがリリースしたiOS 18.4.1では、こうした問題のうち「特定の車両における無線接続のまれな障害」に対処したとされるが、明記された修正範囲は限定的であり、依然として根本的な改善がなされたとは断定できない。利用者にとっては、不具合が継続する可能性も見据えた慎重な判断が求められる局面といえる。
Appleが抱えるCarPlay品質管理の課題
AppleはiOSアップデートごとに新機能の強化と安定性の向上を掲げてきたが、今回のCarPlay問題に見られるように、実装後の不具合が直後に顕在化する事例が散見される。特に今回のような広範な接続障害が主要メーカーの複数モデルで同時に発生した背景には、ソフトウェアと車載インターフェース間の検証不足、あるいはファームウェア更新との整合性の課題があったとみられる。
Appleのリリースノートでは「まれなケース」として問題を位置づけているが、実際には9to5Macが確認したユーザー体験において、接続不能や音量変動などが1,000マイルにわたる走行中で複数回発生しており、その頻度は「例外」と呼ぶには疑問が残る。
今後のアップデートでは、接続性を支える根幹部分への手当てが不可欠であり、AppleにとってCarPlayの安定性確保は、エコシステム全体の信頼性維持に直結する重要課題と位置づけられる。
Source:9to5Mac