Appleが開発中とされる次期「Vision」ヘッドセットは、現行モデルよりも軽量でスリムな設計になる可能性があり、内部構造の一部にチタン素材が採用されるとリーク情報が伝えている。外装の大部分は引き続きアルミニウムを使用する一方で、チタンは強度と耐久性を活かしつつ重量軽減を狙った選択とみられる。

また、カラーは「iPhone 5時代のブラック」に近いダークブルーやグラファイトが導入される可能性もあり、外観面でも刷新が図られるという。モデル名には「Pro」の表記がなくなる可能性も指摘されており、名称や価格帯の変更を含めた再設計の動きがあることを示唆している。

Vision新モデルは内部構造にチタンを採用か 軽量化と耐久性を両立する素材選定

次期Apple Visionヘッドセットでは、従来のアルミニウム外装を維持しつつ、内部構造にチタン素材を組み込むことで、強度を維持しながら軽量化を図る設計が検討されているとされる。リーカーKosutami氏によれば、チタンは接続部やバッテリー周辺にも使用される見込みであり、よりスリムで装着感の軽いプロダクトへと進化する可能性がある。Appleは初代Vision Proのユーザー利用データを長期間にわたり収集しており、装着時の負担軽減や耐摩耗性の改善が求められていた経緯もある。チタンはアルミに比べ約1.6倍の密度を持つが、その分高い剛性と耐腐食性を備えており、少量の使用で十分な補強が可能と考えられる。

一方で、チタンは加工コストが高く、製造難度も上がることから、価格面や量産体制にどのような影響が出るかは慎重に見極める必要がある。軽量化という目的に対し、あえて密度の高い金属を採用する点には意見が分かれるが、Appleが蓄積してきた精密な素材解析や構造設計のノウハウを活かせば、外観や重量感に直結しない部分に限定してチタンを活用することで、全体重量を抑えながら使用時の質感と堅牢性を両立する着地も考えられる。

カラーバリエーションとモデル名称に変化か ダークブルーの新色と「Air」名への転換が示す方向性

次期Visionヘッドセットでは、「iPhone 5時代のブラック」と形容されるダークブルーやグラファイト系の新色が投入される可能性が浮上している。視覚的に重厚さを演出するこれらのカラーリングは、初代Vision Proのシルバー基調とは異なる個性を打ち出す狙いがあるとみられ、同時にシリーズ内でのライン分けやユーザー層の細分化も意識した展開と考えられる。また、リーク情報では次期モデルに「Pro」の名称が使われず、「Apple Vision」または「Apple Vision Air」といった軽量感を想起させる名称に変更される可能性も指摘されている。

これらの変化は、従来モデルの高価格・高機能路線を見直し、より広いユーザー層への浸透を意識した戦略に転じる兆しとも読み取れる。特に「Air」の名が実際に使われるとすれば、MacBookやiPadのラインアップにおける同名モデルと同様、機能性を保ちつつ軽量化や手頃な価格帯を意識したポジションへの移行を暗示している可能性がある。ただし、名称変更は単なるブランディングの一環に留まる場合もあり、仕様や価格の全容が判明するまでは慎重な注視が求められる。

Source:AppleInsider