Appleが開発中とされる初のフォルダブル端末「iPhone Fold」について、新たなレポートが外観仕様の詳細を伝えている。情報によると、外部ディスプレイは5.49インチでDynamic Islandは非搭載、代わりにパンチホールカメラが用いられる見込み。さらに、従来のFace IDではなく、iPad Air同様に電源ボタンに統合された静電式Touch IDが採用される可能性が高まっているという。
7.76インチの内部ディスプレイと合わせ、画面構成はGalaxy Z FoldシリーズやPixel Foldと同等の水準に近づいており、Apple独自のデザイン哲学との折衷がどのように結実するかが注目される。
Touch ID搭載の電源ボタンが生体認証の主軸に Face IDは採用見送りか

iPhone Foldにおいて、Appleは生体認証方式として従来のFace IDではなく、側面の電源ボタンに統合されたTouch IDを採用する可能性が高いとされる。アナリストのミンチー・クオ氏は、折りたたみ端末特有の薄型ディスプレイ構造がFace IDモジュールの内蔵を困難にしていると指摘しており、厚みと内部スペースの制約が設計上の決定に大きく影響していることがうかがえる。この仕様は、すでにiPad Airで実績のあるスタイルであり、操作性や反応速度において一定の完成度を持つ構造であることも、採用判断の背景にあるとみられる。
ただし、Touch IDに一本化されることで、マスク着用時でもスムーズに認証できるFace IDの利便性が失われることには留意が必要だ。iPhoneの代表的機能の一つとして長年受け入れられてきたFace IDの不採用は、利便性よりもハードウェア制約を優先した結果とも考えられる。初代フォルダブルという特殊な形状ゆえの措置ではあるが、これが今後のApple製フォルダブル端末の基準となるかどうかは、ユーザーの評価次第となるだろう。
Dynamic Islandは非搭載 パンチホール採用で外観に変化
iPhone Foldでは、従来のiPhoneシリーズで存在感を示してきたDynamic Islandが外部ディスプレイから姿を消すことになりそうだ。代わって採用されると報じられているのは、前面カメラ用のパンチホールデザインである。中国のSNS「Weibo」や関連ブログの情報によると、外部ディスプレイのサイズは5.49インチで、解像度は2088×1422ピクセル。既存のGalaxy Z Fold 6やPixel 9 Pro Foldといったフォルダブル機と同様のアプローチを踏襲する形となっている。
Dynamic Islandは通知やマルチタスクの視認性を高める新機軸として話題を集めたが、折りたたみ機構においてはその配置や機能維持が難しい可能性がある。パンチホール方式は画面表示領域を最大化しつつ、構造的な複雑さを抑える利点もあり、初代フォルダブル機には現実的な選択肢といえる。一方で、Appleならではの視覚的インターフェース体験が後退する可能性も否定できず、従来の使用感を期待する層にとっては物足りなさを感じる場面もあるかもしれない。今後のプロトタイプや量産モデルでの仕様確定に注目が集まる。
Source:9to5Mac