Appleが開発中とされる初のフォルダブル端末「iPhone Fold」は、ベースモデルで2,199ドル、ストレージ次第では2,599ドルに達する可能性があり、同社の現行最上位モデル「iPhone 16 Pro Max」よりも1,000ドル高い水準になるという。

さらに、サムスンのGalaxy Z Fold 6よりも10%前後高価とされ、価格差は200~400ドル程度と見込まれる。7.8インチの内部ディスプレイやTouch IDの搭載、折り目のない画面など、技術面でのこだわりも見られるが、その価格が主流市場での普及を妨げる要因ともなり得る。

量産は2026年後半、発売は2027年初頭が想定され、Appleがこのカテゴリで後発ながらもプレミアム路線を極める姿勢が浮かび上がる。

フォルダブル市場への参入が遅れたAppleの戦略とその背景

Appleが初のフォルダブル端末「iPhone Fold」の投入を計画しているが、量産開始は2026年後半とされ、既に複数世代を展開しているSamsungやGoogleの後塵を拝する形となる。初の市場投入が2027年初頭となれば、少なくとも5年以上の開発期間を費やしたことになり、その背景には「折り目のない完璧なディスプレイ」を追求する同社の技術志向と品質基準があると見られる。

ディスプレイ供給はSamsung Displayが独占契約を獲得しており、LGやBOEといった他のディスプレイ企業は候補から外された。価格帯の面でもiPhone Foldは異例であり、ベースモデルが2,199ドル、最大構成では2,599ドルに達する可能性がある。これは、Galaxy Z Fold 6の1,899.99ドルを200〜400ドル上回る設定となり、現行のiPhone 16 Pro Maxとの価格差も1,000ドルに及ぶ。

このような高額な設定は、数量を追わずハイエンド市場に絞った差別化を目指す意図が色濃い。Appleが長期的視点でフォルダブル市場の成熟を待ちながら、価格よりも完成度を優先した判断であることは疑いない。

超高価格帯が意味するものと、選ばれた購買層への訴求

iPhone Foldの価格が2,000ドルを大きく超えるとの見通しは、同製品が広範な消費者向けではなく、限定的な高所得層やテクノロジーに対する強い嗜好を持つ層を狙った製品であることを示唆する。

Galaxy Z Fold 6よりも約10%高価という設定は、単なるスペック差以上の「ブランドとしての格」を織り込んだものと考えられ、Appleがフォルダブル端末に対して“日常使い”ではなく“所有の満足”を強調する戦略を採る可能性も否定できない。

また、端末にTouch IDを電源ボタンに組み込む案や、画面内蔵型Face IDセンサーの試験導入など、これまでのiPhoneでは見られなかった要素の投入も報じられており、これらはフォルダブル機の価値をさらに高める要素とされる。

ただし、こうした先進的機能の導入と超高価格帯とのバランスがどこまで市場に受け入れられるかは未知数である。AppleがiPhone Foldで真に描いているのは、販売台数の規模ではなく「他社と同じことはしない」というブランドポジションの強化と見るのが自然であろう。

Source:Wccftech