インドの映画育成プロジェクト「MAMIセレクト:Shot on iPhone」において、iPhone 16 Pro Maxが唯一の撮影機材として使用された。広角・超広角・望遠の3眼構成に加え、4K 120FPSの高フレームレート撮影や5倍光学ズーム、シネマティックモードなどの機能が評価され、映画制作の現場においても高品質な映像を可能にしている。
参加した映画制作者たちは、大型カメラを使用しない新たな映像制作の可能性を体感し、コンテンツ制作の“民主化”を語った。一方で、この流れが来年のiPhone 17 Proシリーズにどのような進化をもたらすのかにも関心が集まっている。
iPhone 16 Pro Maxが映画制作現場で存在感 4K 120FPSや5倍ズームの性能が短編作品に活きる

「MAMIセレクト:Shot on iPhone」では、iPhone 16 Pro Maxを唯一の撮影機材とするユニークな試みが実施された。120mm望遠レンズを活用したスローモーションやクローズアップ、4K 120FPSによる滑らかな映像表現が可能となり、撮影された短編映画『Seeing Red』ではコメディとホラーを融合させた表現がより立体的に描かれている。また、心理スリラー『Tinctoria』では、空中を飛ぶ物体の追尾にシネマティックモードが活用され、動きのあるシーンでも臨場感を保っている。いずれの作品も、iPhone 16 Pro Maxのカメラ性能を最大限に活用しながら、従来の大型機材に頼らない新しい映像制作のあり方を体現した事例といえる。こうした成果からも、スマートフォン単体での映像制作が着実に地位を高めつつあることが読み取れる。
一方で、今回の撮影はあくまで限定的な条件での実験的取り組みであり、あらゆる制作現場に同様のスタイルが即座に適用されるとは限らない。とはいえ、作品のクオリティや制作者の評価からは、スマートフォンによるプロフェッショナル用途の広がりを示唆する要素が含まれている。今後の作品群や映像トレンドの変化にも注目が集まりそうだ。
映像制作の“民主化”に寄与 iPhoneという身近な道具がプロの表現手段に
MAMIのプロジェクトには、インド映画界の著名な監督たちが参加し、新進気鋭の若手映画作家を指導している。コンコナ・セーン・シャルマーやヴィクラマディティヤ・モートワーネらが選出した4人の作家たちは、プロ仕様のカメラを用いず、iPhone 16 Pro Maxだけで短編映画を完成させるという課題に挑んだ。この取り組みでは、映像技術の高度化だけでなく、誰もが手にできるスマートフォンが映画制作の表現手段として通用する可能性が示された。指導者のひとりヴェトリ・マーランは、「iPhoneでの撮影は個人の表現を可能にする」と語り、この試みが映像制作の“民主化”を後押しするものだと表現している。
とはいえ、映画制作には撮影以外にも照明や音響、編集など多くの要素が関わっており、すべてをスマートフォンだけで賄えるわけではない。ただ、映像表現の一部を担う道具としてスマートフォンが確かな実力を持ち始めていることは、プロの現場での使用事例が示している。今後は機材へのアクセスが限られた作家や、短期間での制作を求められる現場において、iPhoneのようなツールがより重要な役割を担っていくことになるかもしれない。
iPhone 17 Proシリーズに期待される動画機能の強化 次世代クリエイター支援の布石か
Appleは次期モデルとなるiPhone 17 Proおよび17 Pro Maxで、動画撮影機能のさらなる向上を予定しているとされる。とくに動画ブロガー向けに最適化された新機能が導入される可能性が高く、これは今回の「Shot on iPhone」プロジェクトの反響を踏まえた動きとも読み取れる。MAMIでの取り組みを通じてiPhone 16 Pro Maxが短編映画制作の現場で十分な成果を上げたことは、Appleにとっても次世代モデルの方向性を形作る重要なフィードバックとなったはずだ。特に、4K 120FPS撮影や光学ズームといった要素に対する制作者の評価は、機能開発の焦点として注目される。
ただし、iPhone 17 Proの仕様については現時点で確定的な情報はなく、これらの改良がどの程度の進化を遂げるかはまだ明らかではない。それでも、Appleがクリエイティブ領域を重要な訴求点として捉えていることは明白であり、次世代モデルがプロ用途への適応をさらに進める方向にあると見るのが自然である。もし仮に、より高度な手ブレ補正や音響収録の向上が図られれば、映像制作のツールとしての魅力は一段と高まることになるだろう。
Source:Wccftech