Apple初の折りたたみiPhoneに関する新たなリーク情報が登場し、販売価格は2,100~2,300ドルになる可能性が浮上した。これはGalaxy Z Fold 6よりも高価で、Pixel 9 Pro Foldとも明確な価格差がある。デバイスは2026年末登場とされ、7.8インチのメイン画面と5.5インチのカバースクリーンを備えたブック型の折りたたみ構造を採用するという。
加えて、従来の折りたたみ端末に見られる画面の折り目を完全に排除する設計が特徴とされており、質感へのこだわりが読み取れる。現在市場は停滞傾向にあるものの、Appleの参入はこの流れを変える可能性があると注目されている。
価格設定に見えるAppleの自信と他社との差異

Apple初の折りたたみiPhoneの価格が2,100ドルから2,300ドルになるとの情報が浮上した。これは、SamsungのGalaxy Z Fold 6の1,899ドルやGoogle Pixel 9 Pro Foldの1,799ドルと比較しても明らかに高額である。新たな情報源「Instant Digital」によれば、この価格帯は以前にミンチー・クオ氏が予測していた2,000~2,500ドルというレンジからやや絞り込まれており、Appleが価格戦略をある程度具体化している兆しとも読み取れる。
この価格差は単なる数字以上の意味を持つ。Appleは初代モデルであってもプレミアム路線を貫く姿勢を示しており、価格によってブランド価値を強調する常套手段を採っているとも考えられる。また、SamsungやGoogleがすでに価格と性能のバランスを追求している一方で、Appleは「価格に見合う体験」があると判断している可能性が高い。
一方で、価格の高さが一般層の手に届きづらくなるリスクもある。高級機としての位置づけで注目を集めることはできても、折りたたみスマホ市場全体の拡大には貢献しづらいとの見方もある。初期生産数が絞られる可能性があることからも、大量展開ではなく、あくまで先行モデルとしての性格が濃いといえる。
折り目のないディスプレイ設計がもたらす革新性
折りたたみiPhoneには、従来の折りたたみ端末に見られる「画面中央の折り目」が存在しないとされる。この点は一見すると小さな改良に思えるが、実際には使用時の視覚的な没入感や操作感に大きく影響する要素であり、多くの現行製品で課題とされてきた部分である。特に動画視聴や書籍閲覧などで画面中央の影が気になるユーザーにとって、折り目のないディスプレイは大きな進化といえる。
現在の折りたたみスマホ市場では、各社が折り目を目立たなくするためのヒンジ設計やパネル素材の改善にしのぎを削っているが、それでも完全に消し去ることは難しかった。Appleがこの点を初代モデルで解決するのであれば、それだけで大きな話題を呼ぶのは間違いない。また、Appleが本質的なユーザー体験の向上を優先した設計哲学を貫いていることの表れとも捉えられる。
ただし、この構造が製造コストに影響している可能性は否定できず、それが価格設定にも反映されていると見られる。仮にこの技術が確立されたものであれば、他社製品との差別化要素として強く機能し、Appleが後発ながら市場で存在感を発揮するための核となる設計になる可能性もある。
2026年末の登場とAppleの投入タイミングに見る狙い
Appleの折りたたみiPhoneは2026年末の登場が有力視されており、これまでのリーク情報もこの時期に集中している。現在、折りたたみスマートフォン市場は一時的な低迷が続いており、特に2025年は成長の鈍化が予測されている。しかしAppleは、あえてこの谷間のタイミングに登場することで、再浮上のきっかけを自らの製品で作り出す狙いがあるとみられる。
また、初回の生産規模が抑えられる可能性が報じられている点も興味深い。これは新技術に対する慎重な展開姿勢であると同時に、製品価値を希少性で高める狙いが含まれているとも考えられる。折りたたみiPadの登場も示唆されているが、タイミング的にはiPhoneの後となる可能性が高く、まずはiPhoneでの市場反応を見極めてから次の一手を打つ構えといえる。
こうした戦略は、Appleが折りたたみ市場において短期的なシェア獲得を狙うのではなく、長期的な影響力の確立を意識していることを示している。急がずとも確実に、市場の転換点を握ろうとするその動きが、2026年という選択に現れている。
Source:PhoneArena