Samsungは、Galaxy S25、S25 Plus、S25 Ultraを対象に、韓国で4月の月例アップデートを配信開始した。今回の更新では、カメラ性能や充電挙動、システム全体の安定性向上に加え、「Now Bar」と呼ばれるメディアウィジェット通知が新たに追加され、通知シェード内での操作性が大幅に向上している。

特に注目すべきは、これまで旧型機で先行実装されていたこの機能が、ようやくS25シリーズの通知領域にも反映された点にある。新ウィジェットは、時計の隣や通知パネル内に表示され、クリックで拡張操作が可能。今後のグローバル展開も見込まれているが、現時点では韓国限定で提供中である。

S25シリーズに追加されたNow Bar通知の正体とは

Galaxy S25シリーズに配信された4月アップデートで、カメラや充電性能に加えて注目されたのが、通知シェード内に新たに実装された「メディアウィジェット通知」である。この機能は、ロック画面やステータスバーに表示されるピル型UI「Now Bar」を通じて、音楽や動画の再生操作をより直感的に行えるようにする。操作ボタンは時計の隣、または通知パネル内に表示され、タップすることで再生コントロールが拡張される。

実はこのウィジェット、S25シリーズ以前の旧型Galaxyモデルが先に対応していたという逆転現象があった。One UI 7へのアップデートで先に新機能を得た旧機種に対し、最新フラッグシップモデルであるS25シリーズは今回ようやく対応した格好である。新UIによりメディア再生操作はよりスムーズになり、ユーザーの体験価値を底上げしているのは確かだ。

韓国先行のアップデート配信に見る提供戦略の偏り

Samsungは今回のアップデートをまず韓国から展開しており、4月中旬の段階ではS25シリーズ向けにグローバルでの提供は始まっていない。これは同社が自国市場での安定性検証を優先していることを示すものであり、他地域への配信はその結果を踏まえた後となる可能性がある。特にインド市場では、旧型モデル向けのOne UI 7アップデートすら未だに提供されておらず、ファームウェアの不具合により一部地域では一時撤回される事態も起きている。

こうした対応の差は、Samsungが市場ごとのリスク管理を強く意識している現れと見られる。安定性を確保した上で順次展開する姿勢は評価されるが、一方で主要市場であっても提供が遅れる現状は、アップデートを待ち望む側にとっては不満の声につながる可能性もある。

新機能投入の順序に見るGalaxyシリーズの一貫性の揺らぎ

本来ならば、最新のGalaxy S25シリーズが機能面でも常に最前線であるべきだが、今回のアップデートにより、そうした前提に揺らぎが見え隠れしている。SamMobileの報告によれば、One UI 7のアップデートを受けた一部の旧型モデルには既に「Now Bar」通知ウィジェットが導入されており、S25シリーズではこれまで非対応のままだった。つまり旧モデルが先に体験できた新機能が、最新機種に後から追加されるという、やや不可解な順序が生じている。

この背景には、ソフトウェア開発上の優先順位や対応端末ごとの調整事情があると考えられるが、期待される最新機種での機能後回しは、一部のユーザーにとっては納得しがたい状況でもある。今後、ソフトウェア面でもフラッグシップモデルが真っ先に恩恵を受ける体制が再整備されるかに注目が集まる。

Source:Android Central