Samsungがインド向けに発表したOne UI 7(Android 15)アップデートの公式ロードマップは、Galaxy S24シリーズやZ Fold6などを皮切りに、2025年7月まで段階的に展開される予定となっている。しかし、Galaxy S23シリーズを含む一部モデルでは依然として安定版の配信が遅れており、その要因にはExynos搭載モデルでの重大なバグも絡んでいる。
こうした混乱の中、One UI 8(Android 16ベース)の情報がリークされ、UI変更の少なさや「Now Brief」「Log Video」などの機能強化に注目が集まっているが、その動きは新旧アップデートの混在によるユーザーの混乱を招く可能性もある。
One UI 7配信の停滞が示す、サムスンのアップデート体制の限界

2025年4月に始まったOne UI 7のインド向けアップデート展開は、Galaxy S24やZ Fold6といった最新機種からスタートし、7月にかけてミッドレンジやタブレットまで広がる計画となっている。ところが、Exynos版Galaxy S24で発生したロックバグを受け、安定版の提供は一時停止。結果的にGalaxy S23シリーズなど、対象デバイスの一部は未だアップデートを受け取れずにいる。この混乱の背景には、膨大なモデル数とファームウェアの個別最適化が必要な構造的課題があると考えられる。
サムスンはこれまでもAndroidメジャーアップデートの展開速度と範囲で業界をリードしてきたが、今回のような不具合対応の影響を受けやすい状況は変わっていない。特にExynosとSnapdragonの両チップセットで異なる調整が必要なことが足かせとなっており、安定性を優先するならば対象機種を絞った先行配信が現実的な策となり得る。アップデートの恩恵を早く享受したいユーザーにとっては、こうした遅延は信頼性の低下につながる恐れもある。
One UI 8リークに見る新機能の進化と、期待とのギャップ
One UI 8(Android 16ベース)のハンズオン映像やリーク情報が相次ぐ中、Samsung GalleryやMy FilesのUI刷新、「Quick Share」の操作性向上、「Now Brief」の対応機種拡大といった具体的な変化が注目されている。特に「Log Video」機能の拡充は、Galaxy S24/S25に限定されていた映像制作用モードをZ Fold6やZ Flip6にも開放し、映像制作の幅を広げるものとなる。ただし、UI全体の構造に関してはOne UI 7から大きな変化はなく、外観面での新鮮さは抑えめである。
リーク情報の多くは開発段階のビルドに基づくものであり、最終的な仕様が確定していない点には注意が必要だが、それでもサムスンが安定版リリース前に内部ファームウェアを外部に流出させた点には疑問が残る。新機能の投入よりも、まず現在のOne UI 7が正常に提供されることを望む声も多く、現行バージョンの信頼性確保があってこそ次期OSへの期待も高まる構図といえる。進化が見える部分もある一方で、肝心のアップデート基盤が揺らいでいる現状では、歓迎一辺倒とはいかない状況だ。
Source:Sammy Fans