Samsung Galaxy S24 FEに搭載された高輝度モード(HBM)が、これまでのGalaxy端末と大きく異なる動作を示している。従来のAMOLEDモデルがPWM調光で最大輝度を制限していたのに対し、S24 FEではDC調光への切り替えにより、本来の最大輝度が引き出される設計となっている。この変更により、画面のちらつきが大幅に抑えられ、目の疲れや頭痛といった問題が軽減される可能性がある。
本来このような仕様は、屋外視認性や長時間使用時の快適さを重視する多くの人にとって歓迎すべきものだが、現時点では自動的な発動のみに限られ、手動切り替えの手段が存在しない。DC調光の効果は懐中電灯による強制検証でも実証されており、Samsungがこの技術を他機種にも広げる意義は大きい。
Galaxy S24 FEだけが持つDC調光HBMの特殊性

Galaxy S24 FEに搭載された高輝度モード(HBM)は、Samsungの従来機種とは根本的に異なる仕様となっている。これまでのGalaxyシリーズでは、画面の輝度制御にPWM(パルス幅変調)調光が用いられてきたが、S24 FEではこのモードが作動するとDC調光に自動で切り替わる。この挙動により、ディスプレイが本来持つ最大輝度が発揮され、明るさに関する制限が実質的に取り払われる。特に太陽光下での視認性やHDRコンテンツ再生時の没入感が格段に向上することが確認された。
また、PWMによって引き起こされる画面の点滅は、目の疲れや頭痛を訴える原因となっていたが、DC調光ではそのような不快感は軽減されるとされる。筆者のテストでも、懐中電灯を用いてHBMを強制起動した状態では、PWMによる点滅が見られず、ディスプレイの発光は極めて滑らかだった。SamsungのAMOLED端末でこのような実装は極めて珍しく、現時点でS24 FEだけが備える仕様とされている。この一挙動は、単なる輝度の向上に留まらず、長時間の視聴体験にも大きく貢献している。
調光方式の選択を制限する設計がもたらす課題
Galaxy S24 FEにおけるDC調光の実装は高く評価されるが、その利用には大きな制限がある。高輝度モードはあくまで自動発動に限定され、手動で有効化する手段は現実的に存在しない。Playストア上のアプリではシステムレベルの制御にアクセスできず、ADB経由で設定ファイルを操作しようとしても、root権限がなければ拒否される仕様となっている。SamsungのKnoxセキュリティはroot化を検知すると保証が失効するため、多くの人にとってこの手段は選択肢になり得ない。
実験的にセンサーを懐中電灯やアルミホイルでだます方法も試されたが、いずれも実用的とは言い難かった。この状況を踏まえると、HBMという有用な機能が、実際には一部の条件下でしか発揮されないことになる。しかもその条件が環境光センサーに依存している以上、ユーザーの意図で再現するのは困難である。Samsungが「Extra Brightness」などの設定項目に真のHBMを統合し、調光方式を選択可能にする設計へと舵を切らない限り、この先進的な仕組みは宝の持ち腐れとなる可能性がある。
Source:Android Central