SamsungがAndroid 16を基に開発中の「One UI 8」では、Galaxy S25シリーズ以外にも「Now Brief」やLog動画撮影などの新機能が展開予定で、視認性を高めたクイックパネル刷新やQuick Shareの送受信分離など細やかな改善も盛り込まれている。
さらにマルチタスクやDeX操作性の向上、ロック画面へのウィジェット対応なども検討段階にあり、過去の大型アップデートとは異なる「控えめながら着実な進化」が予想される。一方で今夏発表が見込まれるGalaxy Z Fold 7 / Flip 7に合わせたタイムラインであるため、今後の変更は限定的となる可能性が高い。
Log動画撮影やNow Briefが対応拡大 高機能は一部機種にとどまらず

One UI 8では、Galaxy Z Flip 6をはじめとした幅広い端末で「Log動画撮影」が利用可能になる見込みで、映像制作志向のユーザーにとって大きな価値を持つアップグレードとなり得る。また、AIベースの情報表示機能「Now Brief」もGalaxy S25シリーズ専用ではなく他モデルにも展開される方針であり、情報表示の利便性を求める層への訴求が進む。これに加えて、Quick Shareの送受信オプションが視覚的に分離され、操作ミスや混乱の軽減につながるUI改善も盛り込まれている。
さらに、ギャラリーアプリでのポップアウトメニューには円形の囲いが追加され、視認性の向上が期待される。これらの改良はいずれもユーザーの実用体験に直接関わるものであり、インパクトの大小を問わず、日常の操作性に与える影響は無視できない。一方で、これらの機能追加がすべてのGalaxy端末に行き渡るわけではなく、対象機種は限定される可能性がある点にも注意が必要だ。
デザインの微調整と機能強化が並行開発 One UI 7からの緩やかな進化
今回のOne UI 8では、前バージョンであるOne UI 7のような大規模刷新とは異なり、視覚面の改良と機能の安定的な進化が並行して進められている。クイックパネルのトグルに影を加える変更は一見地味に見えるが、タッチ操作時の視認性や直感的な使い勝手の向上に寄与する。また、クイック設定やメニュー表示においても視認性を高めるための調整が施されており、派手さはなくとも日常使用の中で差を実感しやすい部分である。これに対して、Android 16ベースで取り入れられる可能性のある新機能や動作改善はまだ不確定な段階にあり、現時点では具体性に乏しい。
ただし、サードパーティ製ウィジェットのロック画面対応やDeXの操作性向上、AI機能の軽微な改良といった過去の噂が現実化すれば、日常の使い勝手にさらに広がりが生まれる。全体としては、安定性重視のアプローチで着実な改善を図る構成であり、派手さは控えめながらも長期利用を見据えた堅実なアップデートとなる可能性がある。
リリースタイミングはZ Fold 7と連動 大幅な変更の余地は乏しい
One UI 8の展開時期は、今夏開催予定のGalaxy UnpackedイベントでのGalaxy Z Fold 7およびFlip 7の発表に合わせたタイミングになる見通しである。これにより、ソフトウェア開発の猶予は限られており、現時点で明らかになっている機能から大幅に内容が変化する可能性は高くない。開発段階はまだ初期にあるが、これから数か月で抜本的な方向転換が行われる余地は乏しく、現在見えているビルド内容が最終形にかなり近いと考えられる。こうした事情から、新機能の追加はあっても、目新しさよりも完成度や安定性を重視したアップデートが優先される展開となる可能性がある。
また、折りたたみ端末に最適化された新機能が中心となれば、従来型スマートフォンでの恩恵は限定的になることも考えられる。結果として、One UI 8は刷新というよりは成熟に向けた一歩という位置づけで、次のメジャーアップデートへの布石となる可能性がある。
Source:SamMobile