Nvidiaは、GeForce RTX 5000シリーズにおけるゲームクラッシュおよびブラックスクリーンの深刻な不具合を修正するGPUドライバー「576.02」を公開した。本ドライバーは、FortniteやThe Last of Us Part IIなどの人気タイトルにおけるクラッシュエラーの解消を含む計41件の修正を行い、DLSSとG-Syncの併用時に発生していた安定性の問題にも対処している。
さらに、Black Myth: Wukongなどの注目作へのDLSSマルチフレーム生成対応や、G-Sync互換ディスプレイの新規対応など、機能強化も実施された。これまで複数の修正に失敗してきた経緯から、今回の更新に対する信頼回復の動きが注目される。
576.02ドライバーが修正した具体的な不具合とその影響範囲

Nvidiaが公開したGPUドライバー「576.02」は、GeForce RTX 5000シリーズを中心に複数のゲームで報告されていた致命的な不具合を修正している。
具体的には、Fortniteでのランダムクラッシュ、The First Bezerker KhazanでのDXGI_ERROR_DEVICE_REMOVEDエラー、Star Wars Outlawsのフリーズなど、ゲームプレイの継続に支障をきたす事象への対処がなされている。また、DLSSとG-Syncを同時利用する際の安定性問題や、長時間スリープ後の画面復帰失敗といったシステム側のトラブルにも対応した。
加えて、「Black Myth: Wukong」や「No More Room in Hell 2」へのDLSSマルチフレーム生成対応、「Monster Hunter Wilds」「The Last of Us Part II」などへの最適化プロファイル追加、19種のG-Sync互換ディスプレイの新規対応が明記されている。
これにより、単なるバグ修正に留まらず、プレミアムGPUに求められる体験品質の底上げが意図された形である。ドライバー更新内容の具体性と網羅性は、今後の運用に対する信頼性確保に寄与する可能性があると見られる。
繰り返された修正失敗と今回の更新が持つ意味合い
RTX 5000シリーズの登場以来、Nvidiaはドライバー更新を通じて複数の不具合に対応してきたが、特にブラックスクリーンやクラッシュの問題は長期にわたって残存し続けていた。
この間、ゲーム開発者が旧ドライバーへのロールバックを推奨するなど、公式対応に対する不満が高まり、信頼低下を招いていた経緯がある。今回の「576.02」は、そうした批判に対する反応として位置づけられ、事実として従来の修正失敗の挽回を意図していることが明白である。
一方で、GPUの価格性能比や供給状況に対する評価が厳しくなる中、ドライバー品質の安定性は競合との差別化要因として一層の重みを持つ。不具合修正だけでなく、DLSSやG-Syncといった独自機能を最大限に活かすためのアップデートを迅速に行えるか否かが、今後のブランド価値の維持に直結する。今回の更新は、その転機となる可能性を含みつつも、持続的な改善がなければ再び失望を招くリスクを孕んでいる。
Source:PCGamesN