Googleは、Pixel 9aに向けてPixel Cameraアプリのバージョン9.8の修正パッチを配信した。最新バージョンは「9.8.102.748116395.16」で、Playストアを通じて約3MBの小規模アップデートとして提供されている。この更新では、特にマクロフォーカス機能の挙動に関連した不具合の修正が含まれており、従来モデルと異なり手動切り替えができなくなった新仕様にも言及されている。
加えて、暗所でのセルフィーカメラのプレビューがちらつく現象も報告されており、こちらも対処された可能性がある。Pixel Camera 9.8は過去にも小規模な改善が続けられており、今回のパッチはPixel 9aにとって発売後初の細かな調整となる。とはいえ、撮影自体には問題が及ばない点は安心材料ともいえる。
Pixel 9aで初のパッチ配信 マクロフォーカスの仕様と不具合への対応が焦点に

Pixel Cameraアプリのバージョン9.8におけるアップデートがPixel 9aに向けて展開され、約3MBという軽量なパッチながらも、マクロフォーカス機能に関する重要な調整が含まれている。今回のアップデートで注目されるのは、マクロ撮影時の挙動に関する変更である。Pixel 7 ProやPixel 8シリーズと異なり、Pixel 9以降のモデルではマクロフォーカスがメインカメラのオートフォーカスと統合されており、ユーザーが明示的に設定を切り替えることはできなくなった。被写体との距離が約5センチに近づいた際に自動で作動し、左上にはひまわりアイコンが表示される仕様だ。
しかし一部では、フォーカスが正しく動作せず「フォーカスを改善するために後ろに下がってください」といったメッセージが表示される不具合も報告されており、今回の修正パッチがその挙動改善を意図したものと見られている。この機能自体は直感的な撮影体験を提供する一方で、手動制御に慣れたユーザーには物足りなさもあるかもしれない。よりスマートな自動化の一環として設計された今回の仕様変更は、今後のPixelシリーズ全体における方向性を示す一手といえる。
セルフィー時の低照度プレビュー問題 画像品質と表示の乖離が浮き彫りに
Pixel 9aで報告されていたもう一つの不具合が、セルフィーカメラのプレビューが暗所でちらつくという現象である。この問題は、実際の撮影画像には影響がない点が特徴で、見た目の体験と最終的な成果物の間に違和感が生まれる事例といえる。アップデートでこの現象が改善された可能性があるが、パッチノートに具体的な記述はなく、検証は進行中とみられる。
このようなプレビューと撮影結果の差異は、特に前面カメラを活用する機会の多いユーザーにとっては気になるポイントとなる。暗所環境では端末の処理能力やアルゴリズムの最適化が求められ、表示の安定性と処理の軽さをどうバランスさせるかが課題となる。今回はパフォーマンスと品質の調整が目的と考えられるが、根本的な解決にはさらなるアルゴリズムの進化が必要になるかもしれない。小規模なパッチながら、表示と実撮影の関係性を考えるうえで示唆に富む事例といえる。
3月のFeature Dropとの連動にも注目 Connected Cameras対応で広がるカメラ機能
Pixel 9aはAndroid 15 QPR1を搭載し、2025年3月のPixel Feature Dropで導入された「Connected Cameras」機能にも対応している。この機能により、外部USBカメラや一部のネットワークカメラをPixelに接続して利用することが可能となり、使い方の幅が大きく広がっている。Pixel Camera 9.8はその対応基盤ともいえるもので、今回のアップデートでも内部的な安定性や連携性が向上した可能性がある。
特に動画撮影やリモートカメラ用途において、スマートフォンを中核としたカメラハブとして活用できる点は大きな進化といえる。Pixel 9aがエントリー寄りの価格帯ながらもこうした高度な機能を備えている点は注目に値する。一方で、こうした連携機能は設定や周辺機器側の条件に左右されるため、利用にはある程度の知識と試行錯誤が必要になるかもしれない。利便性と自由度のバランスを取る設計は、今後のPixel開発の方向性を考えるうえでも示唆的だ。
Source:9to5Google