Motorolaは、スタイラスペンを本体に内蔵したスマートフォン「Edge 60 Stylus」をインド市場で発表した。価格は22,999ルピー(約3万2千円)と手頃ながら、68W急速充電や50MPのSony製センサーを備えたデュアルカメラ、IP68およびMIL-STD-810H認証など、上位機にも匹敵する仕様が注目を集めている。
搭載SoCはSnapdragon 7s Gen 2と控えめな構成で、OSアップグレード2回・セキュリティ更新3年という制限は残るが、同価格帯でスタイラス搭載かつワイヤレス充電対応機は極めて稀である点が魅力といえる。
スタイラス内蔵とMIL規格取得 多機能を低価格に詰め込んだEdge 60 Stylusの仕様を詳解

Motorola Edge 60 Stylusは、同価格帯のスマートフォンでは例を見ないスタイラスペンの内蔵に加え、MIL-STD-810HとIP68という堅牢性を示す2つの認証を備えている。これにより、水没や落下といったシーンにも一定の耐性があるとされ、アウトドアやアクティブな使い方でも安心して活用できる構成となっている。68Wの急速充電と5,000mAhバッテリーは、スタイラス収納スペースを確保しながらの実装でありながら、日常使いでの長時間運用も視野に入るスペックである。
カメラ構成は50MPのSony製Lytia 700Cセンサーに13MPの超広角カメラを組み合わせ、撮影性能もこの価格帯としては十分に高い水準にある。さらに、6.67インチ・120Hz駆動のpOLEDディスプレイは、上位モデルに比べて若干グレードを抑えた構成ながら、滑らかな操作感を維持している。15Wのワイヤレス充電も搭載されており、日常での使い勝手にも配慮されている点は見逃せない。
一方、SoCにはSnapdragon 7s Gen 2を採用しており、負荷の高い処理では性能面に限界がある可能性もある。とはいえ、スタイラス機能や急速充電、防水防塵対応といった特徴をこの価格で提供している点を考慮すれば、スペック全体のバランスは十分に評価できる内容といえる。
欧州展開は未確定 安価なS25 Ultra風モデルとしての可能性と限界
Edge 60 Stylusは、Samsung Galaxy S25 Ultraのようなスタイラス一体型スマートフォンのエントリーポジションとして登場したが、現時点ではインド市場限定での展開にとどまっており、欧州や日本市場への展開は明らかにされていない。価格は22,999ルピー、日本円で約3万円強という極めて抑えられた設定で、インド価格をもとに仮に欧州展開された場合でも約£279.99と見られている。これはS25 Ultra(約£1,249)と比べて実に4分の1以下の価格であり、スタイラス対応機を低コストで体験できる選択肢として注目に値する。
ただし、OSアップグレード2回、セキュリティアップデート3年という提供期間の短さは、中長期的な使用を重視する層にとってはやや不安の残る要素となる。また、Snapdragon 7s Gen 2は省電力性能に優れる一方で、処理能力においては最新のミッドハイモデルと比較してやや見劣りするため、高度なゲームやマルチタスク用途には向かない可能性がある。
Edge 60 Stylusが今後欧州市場などに展開されれば、Sペン搭載機を手軽に試したい層や、価格対機能性を重視する層に強い訴求力を持つと考えられる。一方で、ブランドやアップデート保証を重視するユーザーにとっては、価格の魅力だけでは十分に訴求しきれない場面もありそうだ。
Source:Tech Advisor