Appleの折りたたみ式iPhoneに関する新たなリーク情報が浮上し、外部ディスプレイにはパンチホール型のフロントカメラを搭載し、内部ディスプレイは7.76インチで高解像度となる可能性が示された。加えて、Face IDに代わりiPad Air同様のTouch IDサイドボタンを採用するという指摘もあり、厚みや構造上の制約がその背景にあるとされる。

これらの仕様はSamsungやGoogleの最新折りたたみ端末と類似する点も多く、競争の本格化を予感させる。登場時期については2026年後半が有力とされ、具体的な構成情報の増加は製品化への現実味を帯びさせている。

カメラ仕様とディスプレイ構成が示す競合機種との共通点

折りたたみ式iPhoneに関する最新のリーク情報では、7.76インチ・2713×1920ピクセルの内部ディスプレイと、5.49インチ・2088×1422ピクセルの外部ディスプレイが搭載されると報じられた。外部画面にはパンチホール型カメラが採用される可能性が高く、全体の構成はSamsung「Galaxy Z Fold 6」やGoogle「Pixel 9 Pro Fold」の設計に近いものとなっている。

特にパンチホールデザインの採用は、フロントカメラの位置と画面の一体感の両立を図るものと見られる。Weiboでのリーク情報をもとに韓国の技術系ブログ「yeux1122」が伝えたこの内容は、折りたたみスマートフォン市場におけるAppleの立ち位置を測るうえで興味深い。

競合他社がすでに展開している折りたたみ端末と類似するスペック構成を採ることで、Appleは市場導入のリスクを抑えつつ、ブランド力による差別化を図る戦略に出る可能性がある。ただし、外部デザインの差異やUI(ユーザーインターフェース)レベルでの操作性においては、他社との差別化が問われる段階に入ったとも言える。

製品投入の時期や価格帯が未確定である現段階では、スペックだけでは評価しきれない要素も多いが、リーク情報から明らかになった構成は、折りたたみ端末の市場標準をAppleが受け入れたことを示す兆候と捉えられる。

Touch IDの再登場が示唆するAppleの設計思想の変化

折りたたみ式iPhoneにおける生体認証方式として、Face IDではなくTouch IDが採用される可能性が浮上している。Appleアナリストのミンチー・クオ氏によれば、本体の厚さや内部スペースの制約から、Face IDセンサーを折りたたみ構造に組み込むことが困難であることが背景にあるという。

具体的には、iPad Airにも採用されているサイドボタン型Touch IDが、同様の形式で導入されるとされている。これはiPhone X以降一貫して続いてきたFace ID重視の流れを一時的に止める動きであり、ハードウェア構造の制約がAppleのUIデザイン哲学に影響を与える一例といえる。

実際、Galaxy Z Foldシリーズでは顔認証と指紋認証が併用されているが、ユーザーからは顔認証精度への不満も聞かれることから、Appleが指紋認証に回帰することは、安定したユーザー体験を優先した設計判断と見なすこともできる。

一方で、Touch IDの再導入がDynamic Island非搭載と同時に報じられている点は、従来のiPhoneユーザーにとってUIの変化を意味する。Appleがこれを一時的な措置とするのか、新たなシリーズ設計として恒常化するのかは不明であるが、フォームファクタの革新がユーザーインタラクションにも影響を与えるという点は見逃せない。

設計上の制約が、Appleらしい体験の再定義にどのようにつながるかが注目される。

Source:Mashable