2025年4月16日、キャシー・ウッド率いるARK Investは、ロビンフッド・マーケッツ株を約265万ドル分買い増し、同時にUiPath株を約248万ドル分売却した。日次報告によると、ARKは金融分野の強化と自動化関連銘柄からの資金引き揚げを並行して進めている。また、ARKはバイオテック銘柄の一部も継続的に売却しており、Repare Therapeuticsの株式も同日に放出された。
これに加え、ARKはARKWおよびARKF ETFを通じて、Solanaステーキングに連動する「3IQ Solana Staking ETF」の50万株を新規取得し、暗号資産関連へのエクスポージャーを拡大させた。従来のテクノロジー偏重から、より分散化されたポートフォリオ構築へと方針が動いている印象を与えており、特にロビンフッドに対する継続的な買い姿勢は、金融サービス分野への確信の表れと見る向きもある。
ARKが強化するロビンフッド投資とその背景

ARK Investは2025年4月16日、ロビンフッド・マーケッツ(NASDAQ: HOOD)の株式を約60,000株、金額換算で265万ドル相当を新たに取得した。これは、過去にも継続的に同銘柄を買い増してきたARKの方針をさらに明確にする動きである。ロビンフッドは若年層を中心に広がる個人投資家のプラットフォームとして成長しており、ARKはこの分野への需要拡大に着目しているとみられる。
同社の購入規模は、その日のARKによる最大のドル建て取引となっており、他銘柄と比較しても明確な優先度が見受けられる。また、同時期にARKはUiPathの大規模売却を実施しており、資産配分の再構成を図っている。こうした選別的な取引により、金融テクノロジー分野への重点配分が強まりつつあることが読み取れる。
市場環境の不確実性が続く中でも、ARKはプラットフォーム型金融サービスへの信頼を行動で示している。ロビンフッドの事業モデルは手数料無料取引とアプリ中心のユーザー体験に支えられており、今後もARKの長期的な成長期待に応える可能性が残されている。
UiPath売却とポートフォリオ最適化の動き
ARKが売却を進めたUiPath(NYSE: PATH)の株式数は234,788株、金額にして約248万ドルに上る。この売却は、過去数日間の保有比率縮小の延長線上にあるものであり、短期的な資金移動というよりも、構造的な投資戦略の再編成の一環と考えられる。UiPathはRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の代表銘柄であり、AIや業務自動化を背景に注目を集めてきたが、ARKはこの分野の過熱感を警戒している可能性がある。
加えて、ARKは同日にバイオテクノロジー分野のRepare Therapeutics(NASDAQ: RPTX)やPrime Medicine(NASDAQ: PRME)といった銘柄のポジションも縮小しており、より流動性の高い銘柄への集中化を進めている様相を呈している。こうした一連の売却は、成長性の見直しとリスク管理の意図を反映した結果と見るべきだろう。
今後のARKの動向を見るうえで、UiPathのような「業務効率化」関連のテクノロジー銘柄に対するスタンスは重要な指標となる。売却が一時的な調整なのか、あるいは根本的な戦略転換の一環なのかについては、引き続きARKの取引動向を注視する必要がある。
暗号資産関連ETFと新規資産への分散戦略
ARKは今回、ARKWおよびARKFを通じて、カナダの暗号資産関連ETF「3IQ Solana Staking ETF(SOLQ.U)」を50万株取得した。この動きは、ARKが従来のナスダック上場テック銘柄だけでなく、ブロックチェーンエコシステムへの関心を強めている証左であると受け取られている。購入価格の詳細は開示されていないが、ARKがこのETFを2つのファンドにまたがって分配している点は注目に値する。
Solanaは高速かつ低コストなトランザクション処理能力で知られ、DeFiやNFT分野での用途拡大が進んでいる。ARKがそのステーキング収益を対象としたETFを組み入れたことは、将来の収益構造において暗号資産由来のフローを積極的に取り込む意図を示していると考えられる。
加えて、ARKはARKB(ARK 21Shares Bitcoin ETF)の保有株式を小規模ながら売却しており、暗号資産セクター内での銘柄間再構成を進めている。これにより、同社のポートフォリオには依然として高いリスク耐性と成長志向が組み込まれているが、一方で市場の変動性に対する慎重な調整も見受けられる。暗号資産に対する姿勢は今後のARKのハイリスク・ハイリターン戦略の鍵を握る要素となる。
Source:Investing.com