Samsungは新たに発表したGalaxy M56で、従来モデルから30%の薄型化を実現した。厚さはわずか7.2mm、重量180gながら、5,000mAhの大容量バッテリーと45W急速充電に対応。6.74インチのSuper AMOLED+ディスプレイはM55比で33%明るく、ベゼルも36%スリムに。搭載チップセットはExynos 1480で、AMD RDNA 2 GPUとベイパーチャンバーによる冷却強化も行われている。
背面には50MPメインカメラを含むトリプルカメラを備え、Galaxy AIによる編集機能も利用可能。Victus+ガラスを用いた耐久性の強化に加え、ソフトウェアサポートは最大6年。価格は₹25,000(約295ドル)からとなっている。
最薄筐体と冷却性能の両立が示す設計思想の進化

Galaxy M56は厚さ7.2mmという極薄設計でありながら、冷却構造に33%大型化されたベイパーチャンバーを採用している。Exynos 1480は前世代のチップであるが、4nmプロセスによって省電力性と性能のバランスが取られており、AMDのRDNA 2アーキテクチャを採用したGPUとの組み合わせにより、ミドルレンジながらも快適な使用体験が期待できる構成となっている。加えて、LPDDR5xの8GBメモリとUFS 3.1の高速ストレージを搭載し、実用面でも抜かりない仕上がりが見て取れる。
冷却機構の拡充が示すのは、薄型デザインによる放熱リスクを想定した上での設計的対策であり、単なるスペックの詰め込みではない姿勢が伺える点に注目したい。外観の薄さや軽さは目を引くが、それを支える内部構造にこそ、Samsungの設計哲学が表れている。特に、高性能チップを搭載しつつ発熱や持続性能に対して妥協しない構成は、過去のMシリーズでは見られなかった新しい方向性とも言えるだろう。
ディスプレイとカメラの進化がもたらす視覚体験の向上
Galaxy M56の6.74インチSuper AMOLED+ディスプレイは、前モデル比で明るさが33%、ベゼルが36%削減されており、映像表示の没入感が大きく向上している。120Hzのリフレッシュレートに対応する点も含め、滑らかな操作感と映像表現が期待できる構成だ。解像度は1080p+と標準的だが、視認性や表示品質において不足はない。
また、50MPのOIS付きメインカメラは、10ビットHDRと4K@30fpsの動画撮影に対応し、静止画・動画のどちらにおいても高い表現力を持つ。望遠カメラは搭載されていないが、メインカメラが2倍ズームをセンサー内で処理することで、日常使いの範囲であれば十分なズーム撮影が可能と考えられる。さらに、Galaxy AIによる編集機能「Edit Suggestions」「Object Eraser」「Image Clipper」の搭載により、撮影後の編集体験が一段階進化している点も注目に値する。
長期サポートと耐久性強化が生む信頼性へのアプローチ
Galaxy M56は、最大2030年末までのソフトウェアアップデート保証(OS6回、セキュリティ6年間)を掲げており、長期使用を前提とした製品設計が明確に示されている。インド市場を中心に展開されるモデルではあるが、このレベルの長期保証は同価格帯のスマートフォンでは稀であり、製品の信頼性に対する強いメッセージとも受け取れる。
耐久性の面でも、前面・背面にCorning Gorilla Glass Victus+を採用し、一般的な強化ガラスと比較して4倍の耐傷性を実現している。さらに、2メートルの落下試験をクリアしている点も、日常的な使用における安心感を高める要素だ。防水防塵に関する明確な規格こそ明らかにされていないものの、全体としての堅牢性は向上している。これにより、スペックだけでなく「使い続けられる道具」としての完成度を高めている点が見逃せない。
Source:GSMArena