Appleが2026年に発売予定のiPhone 18シリーズで、TSMC製の最先端2nmプロセッサを全モデルに搭載する可能性が浮上している。歩留まりの改善により、Proモデル限定ではなく通常モデルへの適用も視野に入ってきた。これにより性能と電力効率は向上するが、製造コストの増加が避けられず、価格引き上げの要因となる可能性が高い。

近年のAppleの価格戦略や部品コストの上昇傾向を鑑みると、次期モデルの販売価格がさらに上昇するシナリオは十分に現実的である。加えて、折りたたみ式iPhoneの高価格化や地政学的な関税問題も重なり、2026年はユーザーにとって試練の年となる懸念がある。

2nmプロセッサ導入が引き上げる製造コストと性能の両面

Appleは、2026年のiPhone 18シリーズにおいて、TSMCの2nmプロセスによって製造された最新のチップを全モデルに採用する可能性が浮上している。この動きの背景には、同プロセスにおける歩留まりの改善がある。アナリストのMing-Chi Kuoによれば、2025年初頭には60~70%に達し、3月にはさらなる改善が見られたとされる。

これにより、従来はPro Maxモデルのみに搭載が予想されていた2nmチップが、標準モデルへの適用範囲へと拡大されつつある。この技術革新によって、従来の3nmプロセッサと比較して10~15%の性能向上、ならびに電力効率の向上が期待されている。

ただし、製造コストの上昇は不可避であり、それが最終的に価格へ転嫁されることが懸念される。Appleは近年、製造コストの上昇を正面から吸収することなく、消費者価格へ反映させる傾向を示してきた。今後、性能向上と引き換えに消費者が支払う価格がどこまで上昇するかが注視されることとなる。

ハイエンド化するiPhone戦略と市場価格の上昇傾向

Appleはこれまでにも高機能化とともに端末価格を段階的に引き上げてきた。今回の2nmチップ全面導入により、再び価格上昇の波が押し寄せるとの見方がある。部品単価の上昇に加え、折りたたみ式iPhoneの登場といった新カテゴリ製品のラインアップ拡大も価格高騰の要因となりうる。

特に、2,000ドルを超えると噂される次世代デバイスは、これまで以上にプレミアム志向を鮮明にする構図だ。こうした価格戦略は、Appleのブランド価値や製品体験に対する信頼に基づいているが、同時に一部ユーザー層の離脱を招く懸念もある。

継続的な性能向上に対して対価を支払うことが正当化されるには、日常的な使用における体感差が不可欠となる。高価格帯へと突き進むAppleの次なる一手が、市場にどのような影響を与えるか、慎重な見極めが求められる段階に差し掛かっている。

Source:PhoneArena