Android 15のQPR2アップデート以降、「おやすみモード」の専用タイルは「モード」パネルに統合され、ワンタップ操作が失われた。これにより、単純に通知をミュートしたいだけの人々にとって、余計な手順が増える結果となった。だが、Android 16ベータ4の内部コードから、従来と同じ動作をする新しい「おやすみモード」専用タイルの存在が確認されている。
タイルは「モード」パネルと共存可能で、シンプル操作を好むユーザーにも配慮された設計だ。現時点で正式なリリース日は未定だが、Android 16の四半期リリース(QPR1)で導入される可能性が高いと見られている。
Android 15で導入された「モード」による操作性の変化とその影響

Android 15 QPR2アップデートで導入された「モード」機能は、「おやすみモード」を含む複数の設定をパーソナライズ可能な形で統合するものであり、従来のトグル式の操作性を置き換える形となった。この変更により、クイック設定パネルから「おやすみモード」を直接オン・オフするワンタップの操作が不可となり、「モード」パネルを経由して2段階で切り替える手順が必要になった。新たなモード機能は、スケジュール設定や通知の制御、カスタムアイコンなど柔軟性に優れているが、日常的に頻繁な切り替えを求める用途では操作の煩雑さが指摘されていた。
特にPixelスマートフォンのユーザーからは、1タップで完結する従来の操作が失われたことへの不満がSNSやフォーラムに多く寄せられており、利便性の低下が実用面でのストレスにつながっている様子が見受けられる。Googleがユーザーの声を受けて動いた背景には、モード機能の多機能性とシンプル操作の両立が求められていたという判断があると考えられる。
Android 16ベータで発見された「おやすみモード」専用タイルの復活とその設計意図
Android Authorityの報道によると、GoogleはAndroid 16ベータ4のビルド内で、「おやすみモード」専用のクイック設定タイルを復活させる準備を進めているという。このタイルは、Android 15以前に搭載されていたものと同様の挙動を示し、タップひとつで「おやすみモード」のオン・オフを可能にする。また注目すべきは、この新タイルが現在の「モード」タイルと併存できる設計になっている点であり、ユーザーが自身の利用スタイルに合わせてどちらのタイルも自由に追加・削除できる柔軟性が確保されている。
ベータ版におけるこの機能の動作はすでに確認されているが、Googleがいつ正式にリリースするかは未定である。ベータ4が最終的なプレビュー段階であることから、Android 16安定版での導入はやや慎重と見られており、QPR1以降のタイミングが有力視される。Googleがこのタイルを再導入する背景には、一部ユーザーにとって過度に構造化されたモード機能が必ずしも歓迎されていないという現実がある。選択肢の提供という形で、複雑さと利便性のバランスをとる意図が感じられる対応である。
Source:Android Authority