Sharkoonは、空冷市場への本格参入としてA40、A50、A60の3モデルから成る新型CPUクーラーシリーズを発表した。A40とA50はシングルタワー構造で、それぞれ4本および5本の銅製ヒートパイプを搭載。A60はデュアルタワー構造で6本のヒートパイプを持ち、TDP最大260Wに対応する高冷却性能を特徴とする。
全モデルに流体動圧軸受ファンが採用され、4ピンPWMによる精密制御と静音性を兼ね備えている。外観面ではブラックとホワイトに加え、RGBライティングの有無を選択可能で、A60では2基のファンのうち片方のみにRGBが実装されている点が独特である。広範なIntelおよびAMDソケットへの対応も含め、汎用性と美観を両立する設計が見受けられる。
Sharkoon Aシリーズに見る冷却設計の差異と仕様の焦点

新たに発表されたSharkoonのA40、A50、A60はいずれもタワー型空冷クーラーであるが、ヒートパイプの本数と構造により明確な性能差が設けられている。
A40は4本、A50は5本、A60は6本の銅製ヒートパイプを備え、冷却対象の熱設計電力(TDP)はそれぞれ220W、230W、260Wに達する。A40とA50は120x72x153mmと共通サイズながら、A60は120x125x156mmと大型であり、デュアルタワー構造の採用によって冷却面積が増している。
ファンにはすべて流体動圧軸受(FDB)を採用し、最大風量121.55 m³/h、最大静圧2.90 mm H₂O、騒音レベルは最大30 dB(A)に抑えられている。
4ピンPWM接続による制御が可能で、回転数は500〜1,800 RPMの範囲に対応するなど、制御性と静音性を両立させた設計となっている。A60のみに2基のファンが搭載されている点や、RGBライティングが一方のファンに限定されている仕様は、コスト調整と視覚効果の両立を意図した設計と考えられる。
各モデルは、IntelとAMD双方の旧型から最新世代まで幅広いソケットに対応しており、組み込み時の柔軟性も高い。とりわけLGA1851やAM5など次世代規格を含む点は、将来的なPC構成の更新を見越した製品設計と位置付けられる。
冷却性能とデザイン性の共存が問われる市場での位置づけ
Sharkoonの新Aシリーズは、冷却性能と視覚的デザインの両立を図った中価格帯向けの製品であると見られる。ブラックおよびホワイトのカラーバリエーションに加え、RGBライティングの有無を選択できる仕様は、自作PC市場において重要なビジュアルニーズに応えるものである。とくにA60の片側RGB搭載という仕様は、過度な発光を避けたいユーザー層への訴求とコスト最適化の狙いが共存している可能性がある。
一方で、性能面においては最大TDP260Wに対応するA60が、近年の高性能CPU環境における実用性を示している。とりわけ動画編集や3Dレンダリング用途における高熱環境では、デュアルタワー+デュアルファンの組み合わせが冷却効率の面で効果的である。ただし、A40およびA50も120mm幅に抑えた省スペース性を有しており、ミドルクラスPCへの適合性が高いと推察される。
このようにSharkoon Aシリーズは、冷却性能を求めつつも装飾性や互換性を重視する層に対し、明確な製品差異を提示している。今後は価格帯の開示と各モデルの国内市場投入時期が注目されるが、既存の空冷市場における他社製品との差別化が成否を左右する要素となるであろう。
Source:KitGuru