約10年間Apple製品に囲まれた生活を送ってきた記者が、Motorola Razr 60 Ultraの登場により初めてApple離れを考え始めている。理由はその高性能と価格のバランスだ。OnLeaksが報じたリークによれば、Razr 60 Ultraは最大16GB RAM、512GBストレージ、そして165Hzリフレッシュレートと4,500ニトの輝度を誇るAMOLEDディスプレイを搭載するとされ、iPhone 16 Pro Maxの性能を上回る可能性を秘めている。
メモアプリなどの使用体験は他のアプリでも代替可能であり、Appleの強みとされてきたエコシステムも今や絶対条件ではない。さらに、フロントを含む3基の50MPカメラ、Gemini AIとの統合、1,000ドル前後と予想される価格設定も大きな魅力となっている。
Razr 60 Ultraが示す次世代スマホの完成形に近づく構成

Motorola Razr 60 Ultraは、折りたたみスマホという形状の中で従来の弱点を埋めるようなスペックを揃えてきた。特に注目すべきは、最大16GBのRAMと512GBのストレージ構成で、これは従来のAndroidフラッグシップに匹敵する水準に達している。さらに、リフレッシュレートは165Hz、ピーク輝度は4,500ニトに達するという情報があり、ディスプレイの滑らかさと視認性の両面で従来機種を凌駕している点が見逃せない。iPhone 16 Pro Maxの120Hz/2,000ニトと比較しても、数字上では大きな差が見て取れる。
また、カメラ構成も大胆で、背面と前面にそれぞれ50MPのセンサーを搭載するという仕様は、折りたたみ機としては異例の高解像度であり、用途の広がりを感じさせる。Gemini AIとの統合によるスマート機能の進化にも期待がかかるが、この点はApple Intelligenceとの比較においても競争力を生む可能性がある。ただし、あくまで数値的な魅力である以上、実機体験でのバランスやソフトウェアとの調和が鍵となる。性能面で見れば、Razr 60 Ultraは2025年のスマホ選びにおいて、確実に候補として浮上してくる存在となる。
iPhoneでは届かなかった使い勝手への回答
筆者がAppleからの離脱を検討し始めた最大の理由は、進化の鈍化と価格の高騰である。iPhone 16 Pro Maxは、サイズが大きくなりすぎたことで片手操作が困難になり、対してRazr 60 Ultraは折りたたみならではの柔軟なフォームファクターを活かし、日常の操作性と表示領域の拡張性を両立している。ちょっとしたメッセージの返信は閉じた状態で、読書や動画閲覧は開いた状態で快適にこなせるという設計は、現代の使用スタイルに合ったバランスのよさがある。
また、iOSのNotesアプリが提供していたエコシステムの連携性も、近年ではサードパーティ製アプリが補完できる範囲が広がってきており、以前ほど唯一性はない。Appleの独自機能として話題になったApple Intelligenceも、2025年時点では実用性や完成度の面で期待値を超えていない。ハードとソフトの最適化という強みを維持するAppleに対し、Razr 60 Ultraは柔軟な仕様と優れたコストパフォーマンスで、異なる価値軸を提示している。選択肢の幅が広がった今、求められるのは機能の充実よりも、納得感のある体験である。
Apple信仰からの解放とデザインへの期待
長年iPhoneを使い続けた理由が「なんとなくの安心感」だったという声は少なくない。Razr 60 Ultraは、スペックや価格だけでなく、そうした固定観念を打ち破るデザイン面でも強く印象に残る存在である。ウッド調の質感や「フォレストグリーン」といった自然を思わせる色彩は、金属とガラスに囲まれたスマホデザインの常識に新風を吹き込む。見た目にこだわりたいという需要に対し、スペック一辺倒で応えるのではなく、情緒的価値を加える発想が読み取れる。
ハイエンド機の選択肢が均質化するなかで、見た目に魅了されて選ぶという理由も十分にあり得る。特に長年同じデザインを踏襲し続けてきたiPhoneシリーズにとって、これは大きな対抗軸になる。もちろん、実際の手触りや使用感を確認するまでは確定的な判断はできないが、視覚的な魅力だけで比較してもRazr 60 Ultraは明確な存在感を放っている。選ぶ理由が「新しさ」そのものであるとすれば、それこそがこの端末の最大の強みかもしれない。
Source:Digital Trends