Windows 11バージョン24H2を対象に、3月および4月のアップデート適用後に「ブルースクリーン・オブ・デス(BSOD)」が頻発する不具合が報告された。原因は「Secure Kernel Error」や「Critical Process Died」といったエラーメッセージと共に発生するシステムのフリーズで、再起動が必要になる深刻な状態であった。

この問題についてマイクロソフトは発生を正式に認め、影響の拡大を受けて「Known Issue Rollback(KIR)」という方式による緊急修正を即座に配信開始。修正は自動適用されるが、反映まで最大24時間かかる可能性があり、再起動で早期の反映が期待できる。

BSODを引き起こした具体的なエラー内容と影響範囲

Windows 11バージョン24H2において、3月と4月の累積アップデート適用後に「ブルースクリーン・オブ・デス(BSOD)」が発生するという深刻な不具合が報告された。主な原因とされるのは「Secure Kernel Error」や「Critical Process Died」といったエラーメッセージで、いずれの場合もPCが完全にロックアップし、再起動以外の回復手段がなくなる。特に、「Windows Latest」の指摘によれば、問題は段階的に広がり、4月の更新で多くの端末に影響を及ぼしたという。

この不具合は、OSの中核部分にあたるセキュアカーネルに関連しており、単なるドライバや互換性の問題を超えた構造的なバグの可能性も否定できない。発生頻度や再現性は不明だが、複数の構成でBSODが報告されている点から、単一要因ではなく複合的な条件下でトリガーされると見られる。重要なのは、更新によって引き起こされたという点であり、安定性を求めて適用したパッチが逆にリスクとなった状況である。

現時点で、ユーザーに求められるのは再起動による修正の早期反映と、今後の正式な恒久修正に向けた注意深い観察である。

Known Issue Rollbackによる応急修正とその限界

マイクロソフトは、BSODの発生を認めた上で、迅速に「Known Issue Rollback(KIR)」を通じた修正の配信を開始した。これは、問題の原因とされるコード変更部分を一時的に無効化する仕組みであり、ユーザーによる手動操作を必要とせず、24時間以内に自動適用される点が特徴だ。ただし、即時反映を希望する場合は再起動が推奨されており、パッチの到達と動作には一定のタイムラグがある。

KIRの導入は応急処置であり、恒久的な修正ではないとマイクロソフトは明言している。今後のアップデートで、元の機能改善を維持したままバグが発生しないよう再調整される予定だという。つまり、現段階で配信されている修正は「バグの除去」ではなく、「原因の回避」に過ぎないため、再発のリスクを完全に排除できているとは言い難い。

このようなKIRの位置づけは、システムの深部に関わる改修が予期せぬ副作用を伴う可能性を象徴している。機能の改善と安定性の確保を両立する難しさが浮き彫りとなった事例といえる。

アップデートに含まれる副次的な現象と注意点

今回のバージョン24H2におけるアップデートには、BSOD以外にも複数の異常挙動が報告されている。とりわけ注目されているのが、システム内に突然現れる「空の謎のフォルダ」である。これは一見して不要な残骸のように見えるが、実際にはセキュリティ修正の一環として設置されたものであり、マイクロソフトは誤って削除しないよう強く警告している。通常とは異なる手法でのパッチ実装が、視覚的な違和感を与えているかたちだ。

こうした予期せぬ副作用は、アップデートの内容や目的を十分に理解していないと、逆に不安や誤解を招く可能性がある。特に、フォルダを手動で削除してしまった場合、その修正の効果が部分的に失われることもあり得るため注意が必要だ。マイクロソフトの公式説明が不十分なこともあり、技術に詳しくない利用者ほど混乱を招きやすい状況といえる。

この事例から見えてくるのは、アップデートが単なる「機能追加」や「修正」ではなく、システム全体に影響を及ぼす大規模な調整であるという事実だ。適用後の挙動変化を細かく観察し、意図せぬ変更にも柔軟に対応する姿勢が求められている。

Source:TechRadar