Samsungは、過酷な作業現場での使用を想定した新型スマートフォン「Galaxy XCover7 Pro」を発表した。最大の特徴は、現代の主流から外れつつある取り外し可能な4,350mAhバッテリーを採用している点にある。堅牢設計に加え、デュアルプログラマブルキーやPOGOピンによる専用ドック対応など、現場の生産性向上を支援するハード仕様も充実。
ディスプレイには6.6インチFHD+ TFT LCDを採用し、手袋での操作や視認性向上機能を備えるほか、Snapdragon 7s Gen 3、6GB RAM、128GBストレージという堅実な中性能を搭載。さらにeSIM対応や5G接続、50MPカメラなど、業務用としての機能性と柔軟性を両立させた構成が目を引く。英市場では559ポンドで4月発売予定。
取り外し式バッテリーの復活が示す、現場スマホにおける“使い勝手”の再評価

Galaxy XCover7 Proが注目される理由は、近年ではほとんど姿を消した取り外し可能な4,350mAhバッテリーの搭載にある。多くのスマートフォンが一体型バッテリーを採用する中で、Samsungがこの形式に回帰したことは特筆に値する。特に長時間の使用やバッテリー交換が困難な現場においては、予備バッテリーによる迅速な交換が求められる場面も少なくない。モバイルバッテリーを使うよりもスマートで、バッテリー膨張などのトラブルにも即時対応できるメリットがある。
Jerry Park氏が言及した通り、この機種は過酷な環境での「即応性」を重視して設計されている。IP68やMIL-STD-810H準拠の耐久性、さらに手袋をした状態でも操作できるタッチパネルや、プログラム可能な2つのキーなど、物理的なインターフェースを活かした設計が現場用途に適している。スマートフォンの進化が“薄型・大容量・閉鎖性”へと向かう中、XCover7 Proは“厚さ・交換性・実用性”という別軸での提案を打ち出した格好だ。現場用途における「利便性の原点回帰」ともいえる選択が、他メーカーにも影響を与える可能性は十分にある。
Snapdragon 7s Gen 3と50MPカメラが示す、堅牢端末でも妥協しない性能バランス
Galaxy XCover7 Proは、堅牢性に重きを置いた端末でありながらも、Snapdragon 7s Gen 3を搭載するなど、性能面でも抜かりがない。6GB RAMと128GBストレージ(最大2TB拡張可能)という構成は、現場用途にとどまらず、日常的なアプリ利用にも十分なスペックである。さらに、6.6インチのFHD+ LCDディスプレイは、120Hzのリフレッシュレートに対応し、スクロールの滑らかさや応答性にも配慮されている。
カメラ性能にも注目したい。背面には50MPの広角カメラ、前面には13MPのセルフィーカメラを搭載し、業務用途に限らず普段使いでも使える画質を確保している。たとえば、現場での記録用撮影やリモート確認にも活用できるだろう。さらに、Wi-Fi 6Eや5G Sub-6への対応により、高速なデータ通信も可能となっており、クラウド連携を含めた業務効率の向上が見込める構成だ。
ハードの頑丈さだけでなく、日々のストレスを減らすスペックと機能のバランスを重視する姿勢は、Samsungが単なる“タフネス機”ではなく、**“使える堅牢機”**を意識して設計していることの表れである。性能面での妥協が見られないことは、このカテゴリの端末を求める層にとって重要な判断材料となるはずだ。
Source:TechRadar