GoogleのPixel 9aが、5,100mAhの大容量バッテリーを武器に、iPhone 16eおよびGalaxy S24 FEとのバッテリー持続テストで圧倒的な優位性を示した。特にWeb閲覧やZoom通話、4K動画再生といった日常的な用途で他2機種を明確に上回り、撮影用途でも約6時間の連続使用を記録するなど実用性の高さが際立った。
一方、iPhone 16eは高性能なチップを搭載するものの、バッテリー容量が最小の4,005mAhに留まり、バッテリー駆動時間では2/3程度にとどまるなど厳しい評価に。Galaxy S24 FEは両者の中間に位置づけられ、充電時間の短さでは最速という強みを見せた。
性能を抑えた設計が逆に電池持ちを伸ばす結果につながったPixel 9aは、価格面でも$499と手頃で、充電速度の遅さを差し引いてもミッドレンジ最強のバッテリー性能を誇る一台として評価されるに足る結果となった。
Pixel 9aのバッテリー性能が日常使用で示した実力

Pixel 9aは、5,100mAhの大容量バッテリーを搭載し、日常的な使用において最も安定した持続時間を記録した。特にWebブラウジング、Zoom通話、4K動画再生など多くのユーザーが頻繁に行うタスクにおいて、Galaxy S24 FEやiPhone 16eを上回るバッテリー持ちを示し、なかでもiPhoneとの比較では2〜3時間以上の差が生じた。さらに、4Kビデオ撮影ではPixel 9aが約6時間連続で動作するのに対し、他2機種は5時間前後にとどまった。この結果は、単なるバッテリー容量だけでなく、ソフトウェアとハードウェアの調和による最適化の賜物といえる。
こうしたテスト結果から、Pixel 9aはスペック上の数字以上のバッテリー効率を発揮しており、充電の心配を減らしたいと考える人にとっては魅力的な選択肢である。特に出先での撮影や長時間の通話・閲覧を多用する場面では、この電池持ちが大きな安心材料となる。性能を過剰に追求せず、必要な場面で長く使える設計が、多くの使い方にフィットする形となっている。
充電速度の違いがもたらす使い勝手の差
Galaxy S24 FEは、フル充電にかかる時間が約75分と最も短く、実用的な充電速度で優位に立っている。50%到達までにかかる時間もわずか25分であり、短時間の充電でも実用レベルまで回復できる点が特徴的だ。Pixel 9aとiPhone 16eはともに95分前後でのフル充電となっており、速度面では劣る。特にPixel 9aは、充電中にバッテリー温度が40.4°Cに達するという報告もあり、これが長期的な劣化要因となる可能性も否定できない。
この違いは、充電環境や日々の使い方によって大きな意味を持つ。たとえば出先での急なバッテリー不足に直面した際、Galaxy S24 FEなら短時間で一定レベルまで復旧できる一方、Pixel 9aでは充電待ちが発生しやすい構造となっている。バッテリー容量の多さは安心感を生むが、充電時間の長さはその分、使い方に工夫を求める場面も増える。価格やバッテリーの持ちだけでなく、充電時間も含めたトータルバランスの評価が重要となる。
処理性能とバッテリー効率のトレードオフ
性能面では、Pixel 9aはベンチマークスコアにおいて最も低く、iPhone 16eの高性能なチップと対照的な位置付けにある。しかし、その処理性能の控えめな設計が、バッテリー消費を抑えるという形でバランスを取っている。iPhone 16eは、処理性能こそトップクラスであるものの、日常的な作業で急速にバッテリーを消費する傾向が見られ、実用性に不安が残る結果となった。
Galaxy S24 FEは両者の中間に位置し、処理性能とバッテリー効率の両立を目指したバランス設計が目立つ。つまり、Pixel 9aは処理速度よりも電池持ちを、iPhone 16eはスピードを、Galaxy S24 FEはその間を取った設計思想がうかがえる。用途が決まっている場合は明確に向き不向きが分かれるが、総合的な使い勝手を重視する場合、必ずしもベンチマークスコアの高さが最適解ではないことを改めて示す比較であった。バッテリーと性能のバランス設計が、今後の中価格帯スマートフォンの焦点になっていく可能性がある。
Source:Android Authority