インテルがGDDR7メモリを搭載した次世代Arc GPUの開発に着手していることが、求人情報から明らかとなった。対象は「Celestial」世代とみられ、現行のBattlemageではGDDR6が継続使用される見通しである。NVIDIAとAMDが寡占するデスクトップGPU市場において、インテルは再び競争に参入する構えを見せている。Battlemage B580およびB570の投入後、新たなBMG-G31バリアントにも注力するなど、同社のdGPU戦略は着実に進展している。
この動きは、インテルが過去の停滞から脱し、本格的にデスクトップ市場へ再参入する意図を持っていることを示唆している。ただし、GDDR7採用の具体的な製品化時期や仕様は依然として不透明であり、業界内でも慎重な見方が広がっている。
インテルが進めるGDDR7採用戦略とCelestial世代の可能性

インテルは、新たな求人情報を通じてGDDR7メモリ搭載の次世代Arc GPU開発に着手していることが判明した。現時点でこの新アーキテクチャは「Celestial」世代に属すると見られており、既存のBattlemage世代では従来のGDDR6が継続使用される予定である。
Battlemage B580およびB570が既に発表されている中、今回の人材募集は明確に次段階の製品開発に向けた布石と受け取れる。また、BMG-G31シリコンを採用した新型バリアントの開発も併行して進められており、インテルのディスクリートGPU戦略が着実に前進していることを示している。
この動向からは、インテルがこれまでやや停滞していたデスクトップ向けGPU市場への関与を強めつつあることがうかがえる。ただし、求人情報という限られた情報源からだけではCelestial製品群の詳細や投入時期は不明であり、実際の市場競争力については慎重に見極める必要がある。NVIDIAやAMDが依然として技術面とブランド力で優位を維持している中で、インテルが差別化要素としてGDDR7をどう活用し、コンシューマー層に訴求するかが今後の焦点となる。
デスクトップGPU市場再参入に向けたインテルの意図とその課題
Battlemageシリーズ発表後、2024年第2四半期までの沈黙により、インテルがデスクトップGPU分野に消極的であるとの印象を市場に与えていた。しかし今回の求人情報は、同社が依然としてこの分野への参入を諦めていないことを示す明確な証左である。特にコンシューマー向け製品へのGDDR7統合は、ハイエンド市場における競争力強化の意思を感じさせる。同時に、BMG-G31など既存製品群の進展と並行して新世代の基盤構築が進められていることも注目に値する。
ただし、インテルがGDDR7の導入で市場シェアを拡大できるかは依然として不透明である。GDDR7自体のコストや供給状況、そして実際のパフォーマンス改善がユーザーにどの程度メリットを与えるかは、現時点では推定の域を出ない。また、NVIDIAとAMDは既に広範なエコシステムとドライバ最適化を武器にしており、単にメモリ規格を刷新するだけでは競争優位を得られない。インテルが本気で競合に対抗するのであれば、製品性能と開発体制の両面でより大胆な改革が必要である。
Source:Wccftech