Intelは、Arc B580 GPUとRyzen 200シリーズや第9世代Intel Coreなど旧世代CPUとの組み合わせで顕著なパフォーマンス低下が発生している件について、公式に調査を進めていると表明した。
発端は2024年1月、レビューサイト「Hardware Unboxed」が提示した実測動画にあり、以降複数のユーザーから同様の報告が続出していた。Intelは現在、影響範囲の特定と最適化に向けたドライバ改修を視野に、対応構成の拡大を含む調査を進行中としているが、改善策の具体的な提供時期は未定とされた。
問題の周知から公式対応までに時間を要したことは、コミュニケーション面での課題を示唆しており、今後の信頼回復には透明性ある技術対応と速やかな改善施策の提示が求められる。
Intelが公式に認めたArc B580と旧世代CPU間の性能低下問題

Intelは、Arc B580 GPUと旧世代のRyzen 200シリーズおよび第9世代Intel Coreプロセッサを組み合わせた構成で、ゲームパフォーマンスの著しい低下が発生する問題について、調査中であると正式に認めた。2024年1月に「Hardware Unboxed」によってこの現象が初めて報告され、以降ユーザーコミュニティで議論が活発化していた。
Intelはこの件に対し当初沈黙を続けていたが、最近のフォーラム投稿において状況を認識していること、ならびに構成の検証範囲を拡大しながら問題解決に向けた最適化作業を進めていることを明かした。特に「一部のゲームにおいて旧世代プロセッサとの組み合わせでパフォーマンス低下が報告されている」との文言から、同社が早期から事象を把握していた可能性も示唆される。
本件は、GPUとCPU間の帯域幅や命令最適化の齟齬といった根本的なアーキテクチャの非整合に起因していると考えられるが、詳細な技術的説明は現時点で示されていない。Intelは今後、ドライバの最適化を通じた対応を予定しているが、公開時期は明言されておらず、ユーザー側の環境依存性を踏まえた追加調査が必要となる見込みである。
発覚から数か月後の対応公表が示す企業広報の課題
今回のパフォーマンス問題は、第三者による公開検証から数か月を経た後にIntelがようやく公式対応に動いたという経緯を持つ。
2024年1月に公開された検証動画が広範な注目を集め、以降SNSやフォーラムで多くのユーザーが同様の症状を訴える中、Intelは公の場で言及するまでに相応の時間を要した。フォーラムへの投稿という限定的な形式での公表も、広報戦略としての透明性や即応性に疑問を抱かせる一因となっている。
技術的な問題への対応は、単に修正パッチやドライバの提供にとどまらず、原因の分析や進捗報告の適時な開示が不可欠である。特に、製品の選定においてユーザーが構成の互換性を判断するためには、企業側の迅速かつ誠実な情報公開が求められる。今後、同様の事案が発生した際には、製品戦略に関する信頼性の確保とともに、ブランド価値の維持を左右する対応姿勢が問われることとなろう。
Source:TweakTown