Samsungが2025年夏に発表予定のGalaxy Z Fold 7は、前モデルZ Fold 6と外観こそ大きな違いはないが、内部では明確な進化を遂げると見られている。Snapdragon 8 Elite搭載によるAI処理性能の向上、大型化された8.2インチのメインディスプレイ、そして200MPメインカメラの新採用が主な目玉となる。
一方で、筐体の薄さではOppo Find N5やHonor Magic V3に及ばず、カメラもメイン以外に大きな刷新は見込まれていない。価格上昇の可能性も指摘されており、Z Fold 6所有者にとっては買い替えの動機がやや薄い印象も否めない。
初めてフォルダブルを試す層や、旧モデルからのステップアップを狙う層には魅力的な内容となりそうだが、「シリーズ史上最薄」の称号やAI性能の強化が実使用感にどう影響するかが評価の分かれ目になりそうだ。
Snapdragon 8 Eliteと200MPカメラの導入が示すZ Fold 7の性能刷新

Galaxy Z Fold 7では、Qualcomm製の最新チップセット「Snapdragon 8 Elite」を搭載することで、前モデルZ Fold 6のSnapdragon 8 Gen 3から飛躍的な処理能力向上が期待されている。特にAI処理性能の強化が目立ち、One UI 8と組み合わせることで画像認識や自動補正、翻訳などの日常的な操作体験がより直感的かつ高速になる可能性がある。また、メインカメラは200MPセンサーへと刷新され、従来モデルの50MPを大幅に上回る高精細な撮影が可能になると見られている。
この200MPセンサーは、従来の韓国・中国向けスペシャルエディションに採用されたものと同系統とされており、これまでのZ Foldシリーズでは見られなかった本格的な写真体験の実現に近づいた印象がある。一方で、12MPの超広角や10MP望遠といった他のカメラ構成には変更がないとされ、カメラ全体のバランスや使い勝手は大きく変わらない可能性もある。Z Fold 7は「一部特化型」のアップグレードという性格が色濃く、新しさと引き換えに一貫した進化を求める声には応え切れていないとも言える。
ディスプレイ大型化と軽量化がもたらすフォルダブルの再定義
Galaxy Z Fold 7では、開いた状態で8.2インチとなる大型ディスプレイを搭載し、Z Fold 6の7.6インチから大きく拡張される見込みである。さらに、折りたたみ時に表示されるカバーディスプレイも6.3インチから6.5インチへと拡大され、利便性が向上する構成となっている。外観はほぼ同じながら、ディスプレイ内部の折り目が目立ちにくい仕様となる可能性もあり、視覚的な快適さと操作性の両立が図られている点は注目に値する。
加えて、本体厚が4.5mmとサムスン史上最薄のフォルダブルとなり、重量も236gとZ Fold 6の239gからわずかに軽量化される。これにより、手に持ったときのバランス感やカバンへの収まりの良さなど、日常的な取り回しのしやすさが期待される。ただし、Oppo Find N5やHonor Magic V3といった他社の薄型フォルダブルには届かない点もあるため、「最薄」の定義には限界がある。ディスプレイと筐体に込められた変化は確かだが、フォルダブル市場全体の基準で見れば、競争力の捉え方には個人差が出るだろう。
買い替えるか、見送るか 今回の進化が突きつける判断の分かれ目
Z Fold 7の登場によって最も悩ましいのは、Z Fold 6を既に使っているユーザーの選択肢である。ディスプレイサイズやチップセット、カメラ性能といった確かな向上点がある一方で、価格の上昇が見込まれており、日常使用の体感にどれほど差が生まれるかが判断の鍵となる。特にカメラ周辺の進化はメインセンサーのみに留まり、充電速度やバッテリー性能は据え置きであることから、全体的なバリューに対する疑問も残る。
一方で、Z Foldシリーズを初めて手に取る層や、Fold 4以前のモデルを使っているユーザーにとっては、Z Fold 7は一気に最新世代の体験へとジャンプできる有力な選択肢となる。また、Z Fold 7の発売に合わせてZ Fold 6が値下げされる可能性もあり、コストパフォーマンスを重視するのであればあえて旧モデルを選ぶという選択肢も現実味を帯びる。新モデルの進化が細部に寄ったものであるからこそ、どこに価値を見出すかが一人ひとりに問われるモデルと言える。
Source:Android Central