サムスンが展開を準備している2つの新たなフォルダブルデバイス、低価格モデルの「Galaxy Z Flip FE」と三つ折り構造を採用する「トライフォールド(仮称:Galaxy G Fold)」が、2025年の第4四半期に登場予定と報じられた。これらの情報は韓国メディアThe Bellによるもので、折りたたみスマートフォンの拡充を図るサムスンの意図を反映している。

一方、当初は第3四半期とされたトライフォールドの発売時期は、これまでに複数回変更されており、2026年初頭になる可能性も依然として残る。今回示された時期は、以前の報道よりも明確な日程となったものの、依然不確定要素も多いのが実情である。

Galaxy Z Flip FEとトライフォールドの登場時期がQ4にずれ込む背景

韓国メディアThe Bellによると、サムスンはGalaxy Z Flip 7およびFold 7のディスプレイ生産をすでに開始しており、両機は2025年7月または8月に発売される見込みである。一方で、同時に噂されているGalaxy Z Flip FEおよび新型の三つ折りフォルダブル「トライフォールド」については、より後の2025年第4四半期に登場する可能性が高いと報じられている。このタイミングは、これまでに報じられてきた情報よりも明確性が増しているものの、過去の変更履歴を踏まえると依然として確定的とは言い難い。

特にトライフォールドに関しては、2025年Q3のリリースとされていた報告や、2026年初頭の発売という見通しも存在しており、正式な登場時期にはまだ流動性があると考えられる。Flip FEに関しても、当初はFlip 7の数か月後とされていたものの、現在はより具体的な時期が提示されたことで、ようやく全体像が見えてきた段階といえる。

こうしたスケジュールのずれは、サムスン内部での技術的課題や戦略的判断の結果である可能性もある。明確な遅延理由は示されていないが、複数の新型フォルダブルを同時展開するには、製造や供給体制の最適化が不可欠となるため、慎重な調整が求められていることは間違いない。

三つ折りトライフォールドは2025年内登場の可能性 だが依然として不透明感も

トライフォールドデバイスに関する情報は、これまでにも繰り返し変化してきた。2025年1月時点では第3四半期に発売との見通しがあったが、最近では第3四半期の「お披露目」にとどまり、実際の発売は2026年初頭になる可能性も指摘されていた。今回のQ4発売という報道が事実だとすれば、当初の予測から若干の遅れで落ち着いた形と見ることもできる。

ただし、こうした情報の変遷から読み取れるのは、サムスンがこのトライフォールドの開発および量産体制構築において、まだ完全に安定した道筋を描けていないという状況である。三つ折り構造という前例の少ない技術仕様は、従来のFoldシリーズと比較してもさらに複雑であり、製品化にあたっては試作・検証の繰り返しが必要とされる。

仮にQ4に登場したとしても、投入時期は市場の反応や技術的仕上がり次第で再調整される可能性がある。折りたたみ技術の新たな展開を示す象徴的な製品となる一方で、トライフォールドはスケジュール面でも技術面でも「完成度」が問われる重要な局面に差し掛かっている。

サムスンがZ Flip FEとトライフォールドを計画から外さない理由

今回の報道で注目すべきは、発表時期のずれよりも、サムスンがこれら2つのモデルを依然としてラインアップに据えている点である。関税政策の不安定さや、AppleがフォルダブルiPhoneを準備しているとされる状況を踏まえれば、サムスンが新型モデルの投入に慎重になる理由は十分にあるはずだ。それでもZ Flip FEとトライフォールドは開発継続中とされており、製品戦略上の重要性がうかがえる。

Z Flip FEは価格帯の引き下げによってフォルダブル市場のすそ野を広げる狙いがあると見られ、エントリー層や買い替え層の需要を喚起する可能性がある。また、トライフォールドは折りたたみの次の進化系として注目されており、デザイン・機能の両面で競合との差別化を図る上で鍵となる存在である。

これらのデバイスが市場投入される時期は予測が難しいが、投入自体を取りやめない姿勢からは、サムスンがフォルダブル端末の中長期的成長を強く意識していることが伝わってくる。時期はずれても、ブランドの革新性を象徴するプロダクトであることに変わりはない。

Source:9to5Google