当初、Galaxy Z Flip 7にはSamsung独自開発のExynos 2500が採用されるとの見方があったが、最終的にはSnapdragon 8 Eliteが搭載される可能性が高まっている。すでにすべての社内テストを通過したと報じられ、Samsungはコスト削減よりも性能と安定性を優先した判断を下したとされる。

背景には、Exynos 2500の大量生産が困難と見られる点や、性能面の信頼性に対する懸念がある。仮にこの選択が確定すれば、Samsungは利益率の低下か、製品価格の上昇というトレードオフに直面することになりそうだ。

Snapdragon 8 Eliteで社内テストを通過 Exynos 2500採用は見送りの可能性

Galaxy Z Flip 7に関しては、当初Samsungの独自SoCであるExynos 2500が搭載されるとの情報があった。しかし、Wccftechによると、実際にはSnapdragon 8 Eliteがすでにすべての社内テストを通過しているとされ、搭載チップはQualcomm製になる可能性が高まっている。この決定の裏には、Exynos 2500の量産体制が整っていないことや、性能面での信頼性が十分に確保できないことが影響しているとみられる。Exynos 2500はSamsungの3nmプロセスで製造される初のスマートフォン向けSoCとして期待されていたが、少量生産になるという見方もあり、安定した供給が困難と判断された可能性がある。

一方で、Snapdragon 8 Eliteはすでに高いパフォーマンスで評価を得ており、Samsung製スマートフォンにとっても安全な選択肢といえる。Samsungは過去においても、自社製チップの性能や発熱問題に対する批判を受けた経緯があり、信頼性の高い選択を優先する傾向が強まっている。今回もその流れを汲んで、Exynosを見送りQualcommを採用するという判断につながった可能性がある。

フォルダブルでも妥協なしの性能を確保 Snapdragon最上位の搭載が意味するもの

Snapdragon 8 Eliteは、現時点でQualcommが展開するモバイル向けチップセットの中でも最上位に位置づけられる。そのため、Galaxy Z Flip 7のようなクラムシェル型フォルダブルスマートフォンに採用されるとなれば、ハイエンドモデル並みの処理性能が期待されることになる。これにより、コンパクトな筐体であっても、高度なマルチタスクやゲームプレイ、AI処理といった負荷の高い動作が快適にこなせる可能性がある。

ただし、この選択にはコスト面での負担も伴う。Snapdragon 8 Eliteの搭載にはQualcommに対する高額なライセンス料が発生するとみられており、Galaxy Z Flip 7の価格が上昇する要因になる可能性がある。仮に価格を据え置く方針であれば、Samsungの利益率は圧迫されることになり、販売戦略の調整が迫られることになる。性能の高さを優先した今回の判断は、製品の信頼性と満足度を重視する姿勢の表れともいえるが、それが価格とどう折り合いをつけるかが今後の注目点となる。

Source:Wccftech