2024年4月に米国特許商標庁で登録された特許情報に基づき、DomoAIと@xleaks7が作成したSamsungロール式スマートフォンのレンダリング画像が公開された。このデバイスは、極薄ベゼルやZ Flip 6に似たカメラ配置を特徴としながら、ロール機構のために本体はやや厚みを持つ。展開前の状態ではコンパクトでポケットに収まるサイズを維持し、展開後には視聴やゲームに適した広大なディスプレイとなる設計が想定されている。

加えて、翻訳や要約、構図自動調整といったAI機能の搭載が見込まれており、実用性とエンタメ性を高い次元で両立する新世代デバイスとして注目される。ただし、今回のレンダーは未展開状態のみを示しており、フルサイズの仕様や対応アプリの詳細は依然不明である。

特許レンダーが示すデザインの核心:コンパクトと厚みの両立

2024年4月15日に米国特許商標庁で公開されたSamsungのロール式スマートフォンは、DomoAIと@xleaks7がレンダリングを作成することでその姿が具体的に浮かび上がった。最大の特徴は、未展開時にポケットサイズに収まるほどのコンパクトさを保ちながら、ロール機構によって大画面に拡張可能な点にある。ベゼルは極限まで薄く設計されているが、「顎」と呼ばれる下部の縁のみがやや厚めで、それ以外はスッキリとした印象を与える。カメラ構成はGalaxy Z Flip 6に似た二眼とフラッシュの並びが採用されており、Samsungが既存の設計資産を再利用しつつも新たなフォームファクターに挑戦していることが見て取れる。

ただし、ロールアウト機構を内蔵する構造上、全体としては従来のGalaxyシリーズより厚みを帯びており、見た目のスリムさと体積とのギャップがある可能性は否めない。実用性と見た目のバランス、そして携帯性の評価は、実機での使用感に委ねられる部分が大きい。この設計思想が消費者にどう受け入れられるかは、競合機種の展開形式との比較によっても左右されるだろう。

AIが変えるスマホの機能性:翻訳から撮影補助まで多機能搭載へ

レンダー情報によると、このロール式スマートフォンには複数のAI機能が実装される見込みである。中でも注目されるのが「即時翻訳」機能で、対話相手の言語をリアルタイムで解析し、自身の言語に置き換えて画面表示する機能が検討されている。さらに、長文メッセージの要約機能、スケジュールに応じた出発時間のリマインド機能、そして写真内の不要物削除や色補正など、従来のスマートフォンではアプリ単位で対応していた機能がネイティブに統合される可能性がある。

特にAIによるカメラ補助では、照明や構図を自動で最適化することが想定されており、シーンに応じた撮影が初心者でも簡単に行えることが期待される。これらの機能がロール式ディスプレイと連携することで、広がった画面での視認性や操作性を最大限に引き出す仕組みが成立する。ただし、現時点ではこれらの機能の精度や処理速度については未公開であり、AIによる恩恵が日常のどこまで浸透するかは、ハードウェアの完成度とのバランスにかかっている。

ロール式と三つ折りの競争構図:新形態がもたらす判断材料

市場ではHuaweiの三つ折り端末「Mate XT」が話題となっている一方で、今回のロール式デザインも新たな選択肢として存在感を放ち始めている。Motorolaもロールアウト式デバイスの情報を公開しており、フォルダブルに続く次世代形態として注目が集まっている。ロール式の最大の利点は、三つ折りのようなヒンジ構造を用いず滑らかなディスプレイ展開が可能になる点にある。外観上の美しさや開閉時の耐久性でも優位に立つ可能性がある。

ただし、今回公開されたレンダリングは展開前の状態にとどまり、完全に広げた際のサイズやディスプレイ構成は不明のままである。よって、実際に三つ折りに対して優れているかどうかは、視認性や操作性、そして持ち運びやすさといった複数の観点から慎重に比較する必要がある。特に、持ち歩きのしやすさを重視する層にとっては、端末の厚みや重量が大きな判断基準となり得る。現段階ではロール式が次のスタンダードとなると断じるには材料が足りず、今後の情報開示と試作機による体験が決定的な要素となるだろう。

Source:PhoneArena