SamsungがGalaxy S25、S25+、S25 Ultra向けに提供する2025年4月ソフトウェアアップデートが、韓国に続いてオーストラリアを皮切りに複数の地域へ拡大中だ。今回の更新では、発売当初のS25シリーズで欠如していたOne UI 7の一部機能が補完され、メディア再生中の「Now Bar」表示や通知シェードからの操作が可能となった。
ビルド番号「AYD9」で識別され、通知やUIの使い勝手にも変化が加えられている。充電アニメーションや安定性向上、最新のセキュリティパッチも含まれており、初の大型OSアップグレードとなるOne UI 8の動向にも注目が集まる。
One UI 7搭載機との差分を解消する機能追加とその意義

Galaxy S25シリーズはOne UI 7を標準搭載して登場したが、従来機種でのアップデートにより追加された一部の機能が含まれていなかった。今回の2025年4月アップデートでは、このギャップを埋める形で「Now Bar」の実装が行われた。「Now Bar」は、メディア再生中に画面左上にライブ通知を表示する仕組みで、タップ操作によりポップアップでのメディア制御が可能となる。これにより、メディア体験がより直感的かつ手早くなる利点がある。
また、通知シェードからもメディアの再生・停止といった操作が行えるようになり、クイック設定に頼る必要がなくなった点は、日常使用における小さな不満を解消する改良である。これまでのS25シリーズでは、メディアコントロールが画面下部に限定されていたため、操作の導線が限定的であった。こうした機能差の是正は、旧モデルとの整合性を図る意味でも価値がある。
この更新は、UIの一貫性と機能の統一を重視するSamsungの姿勢を示すものであり、シリーズ内での体験格差を抑える調整といえる。ただし、これらの機能があらかじめ標準搭載されていなかった背景には、開発スケジュールやフィードバック対応の差がある可能性も考慮される。ユーザーの声を拾い、短期間での改善につなげた姿勢は評価できるが、今後は初期リリース時点での完成度も問われるだろう。
安定性とビジュアル強化による日常体験の底上げ
アップデートには機能追加だけでなく、全体的な安定性向上やビジュアル面の調整も含まれている。とりわけ注目されるのが、充電アニメーションの改善だ。新たなアニメーションにより視覚的な洗練が加わり、細かなUXの質が底上げされている。こうした変化は地味ながらも日常で繰り返し目にする要素だけに、利用者の体感に直結する。
さらに、2025年4月のセキュリティパッチが含まれている点は、日々の安心感に繋がる更新である。Samsungはセキュリティ更新においても定期性を維持しており、S25シリーズでも例外ではない。こうした継続的なサポート体制は、長期利用を前提とした端末選びにおいて重要な要素となる。
今回のアップデートは、「AYD9」というビルド番号で識別され、「設定」アプリから簡単にダウンロード可能となっている。このような更新プロセスの手軽さも、ソフトウェアメンテナンスの敷居を下げる要因の一つである。一方で、これまでの変更が目に見える形で反映されているかについて、利用者自身が確認できる情報提示の工夫が今後の課題として残る。
全体として、このアップデートは見た目と操作性の双方に対してバランスよく作用しており、Galaxy S25シリーズの完成度を着実に高める内容となっている。今後リリースされるOne UI 8との連動性にも期待が集まり、システム面の進化とともに、ユーザー体験のさらなる最適化が進むことが望まれる。
Source:SamMobile