Samsungの次期折りたたみ端末「Galaxy Z Fold 7」と「Galaxy Z Flip 7」が生産準備を完了し、早ければ5月にも量産が始まる見通しとなった。Fold 7にはGalaxy S25シリーズと同じSnapdragon 8 Eliteチップセットが採用される可能性が高く、Exynos案は見送られたとされる。
一方、Flip 7にはExynosプロセッサを搭載した試作機が確認されており、地域別仕様の復活を示唆する材料と見られる。販売計画は控えめながらも、折りたたみ市場からの撤退が進む競合を尻目に、Samsungは技術開発を継続している。
Snapdragon 8 Eliteで仕上げるGalaxy Z Fold 7のフラッグシップ戦略

Galaxy Z Fold 7には、SamsungがS25シリーズにも採用したSnapdragon 8 Eliteチップセットが搭載される見通しとなった。以前はExynosバージョンの可能性も取り沙汰されていたが、量産体制が整った現在、その構想は実現されなかった模様である。Snapdragon 8 Eliteは、AI処理や画像エンジン、消費電力管理に優れた特性を持ち、折りたたみ端末に求められる高負荷処理への適応力が高く、特にマルチタスクやゲーム用途での快適性が期待される。
Samsungにとって、折りたたみ市場におけるリーダーシップを維持するには、性能面の妥協が許されない。Exynosの性能改善が進む中でも、Fold 7に限ってSnapdragonを選択した背景には、フラッグシップにふさわしい信頼性とグローバルな評価が必要だったと見られる。競合他社の撤退が進む中、Fold 7には市場の期待値を背負う製品として、確かな完成度が求められている。
Exynos版Flip 7登場の兆し 地域別展開の可能性とその狙い
Galaxy Z Flip 7の試作機として、Exynosプロセッサを搭載した2種類のテストユニットが今月目撃されたという報告がある。このプロセッサが市販モデルにそのまま搭載されるのかは明らかではないが、仮に実現すれば、Samsungは再び地域ごとに異なるチップ構成を採る構えだと受け取れる。過去のSシリーズでは、北米にSnapdragon、その他地域にExynosという方針がとられており、今回もそれに近い展開が想定される。
このような構成の分岐は、コスト最適化や需給調整、そしてSamsung Foundry製品の市場投入テストを兼ねる意味合いもある。とはいえ、同一製品で性能差が生じるという指摘も過去には多く、消費者の評価が分かれる可能性はある。Flip 7が性能よりもスタイルや価格に重きを置いたモデルであれば、処理能力に関する要求が相対的に低いため、Exynosでも許容されるとの判断が背景にあるのかもしれない。
折りたたみ市場の現実とSamsungの次なる布石
Samsungは、Galaxy Z Fold 7とZ Flip 7の販売目標を以前よりも現実的な水準に引き下げている。これは、折りたたみスマートフォンが市場で予想されたほどの需要を獲得できていないことを意味する。一方で、競合メーカーの多くはこの分野から撤退を進めており、Samsungのように継続的に投入を続ける姿勢は異色である。生産体制や供給網を維持しながら、新型モデルの開発を止めない姿勢が際立つ。
販売面では慎重な姿勢を見せつつも、同社は来年のGalaxy S26に向けて、2nmプロセスのExynos 2600開発を進めており、自社半導体技術への回帰にも取り組んでいる。これが折りたたみモデルへの反映につながるかは未定だが、Samsungは技術的基盤の再構築を急いでいると見られる。製品の訴求力と同時に、競争力あるプロセッサ開発が今後の市場維持に直結していく。
Source:PhoneArena