Googleは2025年4月のPixel Watch向けOTAアップデートを全モデル(初代、2、3)に配信開始した。ビルド番号「BP1A.250305.019.W8」として提供され、Wear OS 5.1とAndroid 15をベースにしつつ、3月時点のセキュリティパッチを維持している。今回の主な変更点は、特定の利用環境で歩数が過剰にカウントされる報告を受け、改良版から従来のアルゴリズムへと仕様を戻した点である。
また、2024年11月リリース版のまま更新を受けていなかったユーザーに対しては、Wear OS 5.1や新機能の適用も実施されているが、歩数計測の改良要素は含まれていない。アルゴリズム変更は、ベビーカーやカート使用時の精度向上を狙ったものであったが、予期せぬ誤差が発生したとみられる。
Wear OS 5.1アップデートがもたらすPixel Watchの実質的な変化とは

今回の2025年4月配信のOTAアップデートにより、すべてのPixel Watch(初代、2、3)がWear OS 5.1とAndroid 15に対応する形となった。ビルド番号は「BP1A.250305.019.W8」で、セキュリティパッチは2025年3月5日版のまま据え置かれている。特筆すべきは、2024年11月時点のバージョンを利用していたユーザーに向けて、改めてWear OS 5.1の機能や修正を含んだアップデートが適用された点である。これにより、昨年末のアップデートを受けていなかった一部の端末も、現行機能に足並みを揃えることになる。ただし、歩数アルゴリズムの強化機能については、この対象からは除外されている。
アップデートによって機能が新たに追加されたわけではなく、全体としては一部ユーザーのバージョン差を是正する意図が強い。また、ビルド番号は更新されたものの、セキュリティレベルは据え置きであり、実質的な改善は歩数計測アルゴリズムの見直しのみと言える。Googleがこうした形で細かな仕様調整を行った背景には、過去のフィードバックを迅速に反映させる姿勢がうかがえる。今回のアップデートは「新機能」よりも「調整」の性格が色濃いものとなっている。
歩数アルゴリズムの再調整に見るPixel Watchの機能設計バランス
2025年4月のアップデートで特に注目されたのは、3月の初期OTAに含まれていた歩数計測アルゴリズムの変更を元に戻した点である。この変更は、一部のユーザーから「想定以上に歩数がカウントされる」との報告を受けたことが発端で、従来の歩数計測ロジックへとロールバックされた。元々のアルゴリズム変更は、ベビーカーやショッピングカートを押している状況や、トレッキングポールを使用した際の精度向上を目的として導入されたものであり、活動検知の多様化に対応した取り組みだった。
しかし、実際には特定の使用環境で誤検知が発生し、歩数の過大計測という問題が表面化した。今回の調整は、この課題に対する素早い対応とも言えるが、一方で、アルゴリズムの精度と利便性のバランス調整が難しいことも示している。Googleは今後もセンサーから得られる挙動データを精査しつつ、再度アルゴリズムの見直しを行う可能性があるだろう。こうした細やかな仕様の変更は、ユーザーが直感的に感じる“快適さ”に直結する領域であり、単なるバグ修正以上に重要な意味を持つ。
Source:9to5Google