Google Pixelシリーズにおいて、ダークモードの「日没から日の出まで」スケジュールが正常に機能しない不具合が3月のアップデート以降継続している。手動でモードを切り替えた場合に、次の自動切り替えが行われなくなるという仕様がバグと絡み、意図しない表示状態が続いてしまう問題が発生している。Googleから正式な修正は提供されておらず、ユーザーによる暫定的な対処法がSNSやフォーラムで共有されている状況だ。
スケジュール機能に絡む不具合 Pixel特有の挙動が引き金に

2025年3月のアップデート以降、Google Pixelにおける「ダークモードの自動切り替え」が期待通りに動作しない問題が報告されている。日没から日の出までのスケジュール設定を有効にした状態でテーマを手動で変更すると、次回の自動切り替えが機能しなくなる。このバグは、日の出後に本来であればライトモードへ切り替わるはずのタイミングでもダークモードが持続するなど、挙動の不一致を引き起こす。4月のアップデートでも修正はされておらず、現時点でGoogleからの公式対応は見られない。
Androidがスケジュールと手動操作の切り替えをどう管理しているかに関する実装の問題が、この不具合の背景にあるとみられている。特にPixelは他のAndroid機種に比べてGoogleの標準仕様が早期に反映されやすく、それゆえに未成熟な挙動が先に現れる傾向がある。スケジュール機能に期待していた利用者にとっては、予測不能な画面の明暗変化が日常的なストレスとなり得る状況が続いている。
回避策はあるが根本解決には至らず ユーザーに求められる工夫
現時点で広く推奨されている回避策は、テーマのトグルスイッチを一切操作しないことだ。日没・日の出に沿って自動で切り替える設定を維持したいならば、手動でライトモードまたはダークモードに変更しないのが最も安定した手段とされている。また、一部のユーザーからは「カスタム時間帯」を一度設定してから再び「日没から日の出」に戻すことで一時的に正常動作が復帰するとの報告もある。しかしこの方法も長期的にはバグが再発するケースが多く、恒久的な信頼性を得るには至っていない。
別の手段として、「おやすみモード(Bedtime mode)」の活用も提案されているが、これは他の設定にも影響を及ぼす可能性がある。通知制限やサウンドの抑制といった副作用があるため、目的外の挙動に煩わしさを感じる場面も出てくるだろう。単なる表示テーマのスケジュールという本来シンプルであってほしい機能に、ここまで注意と手間を要すること自体が、設計と運用の両面における課題を浮き彫りにしていると言える。
環境への順応が台無しに 明暗の自動制御が生むUXの落差
スマートフォンの画面表示が周囲の明るさと連動して切り替わる仕組みは、視覚的負担を減らすという点で非常に重要な役割を担っている。特に深夜や起床直後といった時間帯において、ダークモードの有無が体感としての快適さを大きく左右することもある。Pixelが備える「日没から日の出」設定は、こうした自然な環境への順応を促すために設けられたはずの機能であるが、現在はその期待に応えられていない。
視認性の確保と眼精疲労の軽減という実利的な意味だけでなく、表示テーマの自動切り替えは、日々の生活のリズムにも密接に関係してくる。したがって、本機能の不具合は見た目の問題にとどまらず、生活全体の体験価値にも悪影響を及ぼす可能性がある。目には見えないが確実に蓄積する「違和感」が、使い慣れたはずの端末への信頼感をじわじわと削いでいく――そんな印象さえ抱かせる状況が続いている。
Source:Lifehacker