Intelが次世代デスクトップCPU「Nova Lake-S」において、現行のLGA-1851ではなく新ソケットLGA-1954の採用を計画している可能性が浮上した。リークされた出荷マニフェストには、LGA-1954を基盤とするテスト機材の存在や、24×25mmサイズの新PCHに関する記述が確認されている。これにより、2024年導入の800シリーズマザーボードが1世代限りの過渡的製品であるとの見方が強まっている。

現行プラットフォームの早期終息が示唆される一方、Nova Lake-Sの登場は2026年が想定され、LGA-1851世代にも一定の猶予が残されている。急速な世代交代の兆しは、競争激化するCPU市場においてIntelが新アーキテクチャでの巻き返しを図る布石と捉えることもできよう。

Nova Lake-SはLGA-1954での動作が前提か マニフェストが示す設計変更の兆候

リークされた出荷マニフェストにより、Intelの次世代CPU「Nova Lake-S」がLGA-1954ソケットでの動作を前提に開発されている可能性が指摘されている。

該当のマニフェストには、LGA-1954ソケット用と見られる電圧レギュレータ関連のテスト機器の記述が含まれ、高帯域幅に対応したPCIe Gen5の継続サポートも示唆されている。これが事実であれば、現行のLGA-1851プラットフォームは、Arrow Lake世代限定の短命なインフラとなる恐れがある。

さらに、ITHomeおよびVideoCardzによる分析では、Nova Lake-Sに対応する新たなチップセットがBGA888ソケットを採用し、サイズも24×25mmと現行の28×23.5mmから変更されていることが明らかにされた。

これにより、単なるマイナーチェンジではなく、プラットフォーム全体の刷新が進行していることがうかがえる。こうした物理的仕様の変化は、次世代CPUが従来のソケット互換性を捨て、設計自由度を優先したアプローチを取っている可能性を示すものである。

こうした動向から判断するに、IntelはNova Lake-Sでアーキテクチャの根本的な再設計を進めていると考えられ、これがLGA-1954採用の根拠となっている。ただし、登場時期や性能面の詳細は依然として不明であり、今後の正式発表が待たれるところである。

LGA-1851世代の早期終息は市場への影響を残すか

2024年第3四半期に登場したばかりのLGA-1851プラットフォームが、Nova Lake-Sの登場によってわずか1世代で終了する可能性が取り沙汰されている。もしLGA-1954ソケットが次世代の標準となるならば、現行の800シリーズマザーボードはArrow Lake-S専用にとどまり、アップグレードの恩恵を受けられない仕様上の断絶が生じることになる。

このような急激なプラットフォーム移行は、長期的視点での投資を重視するユーザー層に不信を与える要因となりうる。特にLGA-1851導入時における明確なアップグレードパスの提示がなかったことは、戦略上の説明責任を問われる一因となりかねない。また、製造業やSIerなどが抱える在庫管理や製品展開計画においても、マザーボードの世代交代は決して軽視できる事項ではない。

ただし、LGA-1851が今後もArrow Lake Refresh等で継続的に用いられる可能性が残されているため、すぐに切り捨てられるとは断言できない。とはいえ、市場は確実に次のアーキテクチャに向けて動いており、Intelの説明不足は信頼の低下につながる可能性をはらんでいる。プラットフォームの寿命とその連続性こそ、長期戦略における鍵となる。

Source:KitGuru