Appleが2025年2月に発表した「iPhone 16e」に続き、次期廉価モデル「iPhone 17e」の試作段階に入ったとの情報が中国SNS経由で浮上している。これにより、かつて断続的に展開されていたSEシリーズとは異なり、「e」モデルを年次リリースする新たな方針への転換が示唆される。
報道によれば、「iPhone 17e」はすでにFoxconnでの少量生産フェーズにあるとされ、Appleは低価格帯を担うラインとして「e」モデルを定着させる意図がある可能性がある。従来のモデル併売戦略に加え、新たな価格レンジの恒常的な投入がAppleのプロダクト戦略にどのような変化をもたらすかが今後の注目点となる。
Appleが進めるiPhone 17eの試作と量産前段階への移行

Appleが「iPhone 17e」の開発に着手しているという報道は、Foxconnでの小規模生産という具体的な工程にまで踏み込んでおり、同社が廉価モデルを継続的にリリースする姿勢を強めている可能性を示している。2025年2月に登場した「iPhone 16e」は「SE」の名称を用いず、独立したラインとしての立ち位置を印象付けた。
過去のSEシリーズが不定期に登場してきたのに対し、16eから17eへの流れは、年間リリースの布石とも捉えられる。特に、Weibo経由でリークされた情報では、「iPhone 17e」がすでに試作段階にあり、これは通常Appleが量産前に行う工程と一致している。
Appleは近年、Proシリーズに注力してきた一方で、ミッドレンジ以下のラインアップも再構成しており、今回の動きはその流れの一環であると考えられる。年次での廉価モデル展開が定着すれば、競争が激化する中価格帯スマートフォン市場において、Appleが安定した存在感を確保するための有力な手段となるだろう。
ただし、量産化の進展や市場投入の時期については現段階で確証を得るには至っておらず、製品化されるかどうかは今後の情報に注視する必要がある。
「e」シリーズ定着によるAppleのプロダクト戦略の転換
iPhone SEが長らく担ってきた「手頃な価格で最新のチップを搭載する」という役割は、今や「e」シリーズに受け継がれようとしている。iPhone 16eが2025年2月に登場した時点で、その存在はSEとは異なるリズムで開発されていることを印象付けた。そして今回報じられたiPhone 17eの存在は、Appleがこのラインを継続的かつ体系的に展開していく意図をにじませている。
特に注目すべきは、Appleが従来の「旧モデル価格引き下げ戦略」とは異なるアプローチを模索している点である。これまでAppleは、最新機種を投入しながらも旧モデルを併売することで価格レンジを広げてきたが、明確に「廉価専用ライン」としての「e」モデルを整備することになれば、同社のラインアップ戦略は根本的に再設計されることになる。
これは、かつて失敗に終わった「iPhone mini」の教訓を踏まえた再挑戦とも見受けられ、消費者ニーズに対するより柔軟な対応と考えられる。市場にとっては、毎年の廉価モデル投入が予測可能となることで、買い替えの判断材料が増す利点も生まれる。今後は「e」の定着がAppleの収益構造やブランドポジションにどう影響するかが重要な観点となる。
Source:Mashable