Samsung初の三つ折り端末「Galaxy G Fold」と廉価版折りたたみ「Galaxy Z Flip 7 FE」の発売が、2025年第4四半期(10月~12月)にずれ込む見通しとなった。これは、既に生産が進むZ Fold 7/Z Flip 7とは別時期での投入を意図しており、差別化を図る狙いが読み取れる。

中国Huaweiが先行して発表したMate XTが市場で注目を集める中、Samsungも巻き返しを図る構えを見せている。Galaxy G FoldはMate XTを強く意識した設計となる可能性があり、ディスプレイ技術に長けたSamsungの真価が問われる展開となる。

なお、これらの新機種は今年後半に同時投入される可能性があるものの、発売時期については今後さらに変更される可能性も否定できない。折りたたみ端末の進化が再び市場の関心を集めている今、Samsungの一手に注目が集まっている。

三つ折り型「Galaxy G Fold」と廉価版「Z Flip 7 FE」は2025年末へと後退

Samsungは2025年中に複数の折りたたみスマートフォンを投入する計画を進めているが、韓国メディア「The Bell」の報道により、その中でも注目度の高い三つ折り型「Galaxy G Fold」と廉価モデル「Galaxy Z Flip 7 FE」の登場が第4四半期(10月〜12月)にずれ込む見通しが明らかとなった。これらは当初、夏以降の発売が期待されていたが、Fold 7/Flip 7のディスプレイ生産が7月〜8月投入に向けて進んでいる一方で、G FoldとZ Flip 7 FEについては別時期に区切る意図が読み取れる。

Galaxy G Foldは、Huaweiが先行して投入した三つ折り型端末「Mate XT」への直接的な対抗として位置づけられており、Samsungがディスプレイ技術におけるリーダーシップを保つための象徴的な製品と見られる。またZ Flip 7 FEは、同社がより広い層に折りたたみスマートフォンを普及させるうえでの起点となる存在だ。価格帯としても「1,000ドル未満」が想定されており、過去のFEモデルと同様の戦略が踏襲される可能性がある。

こうした計画の遅延には、技術的な熟成期間や製品ラインアップ全体のバランス調整といった複数の要因が絡んでいる可能性がある。特にG Foldは新機構を採用する製品であり、堅牢性やユーザビリティにおける慎重な調整が求められていると考えられる。

Huawei Mate XTに対抗するための技術的アプローチとその課題

Samsungの三つ折り型スマートフォン「Galaxy G Fold」が対峙するのは、すでに注目を集めるHuaweiのMate XTである。このMate XTは、フル展開時にタブレットサイズに匹敵する広さを実現しつつ、折りたたみ時には通常のスマートフォンとしても扱えるデザインで存在感を示している。一方でSamsungは、自社のディスプレイ製造部門を活かし、独自パネルによる高耐久かつ高品質な三つ折り構造を目指していると見られる。

G Foldでは、2つのヒンジと3つのディスプレイセグメントが採用される可能性が高く、これまでのFoldシリーズとはまったく異なる展開と収納の機構が求められる。加えて、重量や厚みに対する配慮、ディスプレイの折り目の目立たなさなど、実用性と携帯性の両立が設計上の課題となる。こうした中でSamsungが強みとする有機ELパネルの最適化技術が大きな鍵を握る。

ただし、Mate XTのような挑戦的な構造に対抗するには、単なるハードウェア面での優位性だけでなく、ソフトウェア最適化との両立が不可欠である。複雑な折りたたみ構造に対応したUIやマルチタスク環境の快適性が問われる中、Samsungがどこまで実用的な完成度に仕上げてくるかが、次世代折りたたみ端末の評価を大きく左右することになるだろう。

Source:Wccftech