Samsungの未発表スマートフォン「Galaxy M36」が、モデル番号「SM-M366B」でGeekbenchに登場し、ミッドレンジ向けのExynos 1380を搭載していることが判明した。このチップセットはGalaxy M35と同様である一方、兄弟機A36ではSnapdragon 6 Gen 3が用いられており、両者の差別化が進んでいる。
プロトタイプは6GBのRAMを備え、最新のAndroid 15とOne UI 7が動作していた。ベンチマーク以外の仕様は未公開だが、昨年のM35同様に6,000mAhバッテリーや側面指紋センサーが継続される可能性がある。
Aシリーズとの差異を強調する狙いが見える構成だが、SoCの選定が実使用にどの程度の違いをもたらすかは今後の実機検証を待ちたいところである。
Exynos 1380搭載で見えるMシリーズの設計思想と狙い

Galaxy M36に採用されたExynos 1380は、Samsungが自社設計を推進する中核的なミッドレンジ向けSoCである。このチップはGalaxy M14やM54などにも搭載されており、安定性とコストのバランスが評価されてきた。今回、A36がSnapdragon 6 Gen 3を採用したのに対し、M36があえてExynosを選択している点は、Mシリーズの独自路線を示唆する動きといえる。
ベンチマークに登場したプロトタイプは6GB RAMを搭載し、Android 15とOne UI 7の組み合わせで動作していたことも確認された。これは現行世代から次期Androidバージョンへの移行準備が進んでいることを示しており、OSサポート面での信頼性も意識された構成と考えられる。
コストパフォーマンスを重視するMシリーズにとって、Exynosの採用は予算と性能の均衡をとる選択肢であり、処理性能の最適化よりも価格帯やバッテリー持続時間といったユーザー実感を重視した構成と見られる。
Snapdragon搭載のA36との差異が示す製品棲み分け
A36に搭載されたSnapdragon 6 Gen 3は、性能向上を狙った設計が特徴であり、ゲームやAI処理、通信性能において優位性を持つとされる。一方で、M36は前世代と同じくExynos 1380を採用することで、Mシリーズの方向性がハードウェア刷新よりも堅実な使い勝手の維持に重きを置いていることが見えてくる。
AシリーズとMシリーズは外観や仕様の一部で類似点を持ちながらも、処理性能や用途想定で明確な住み分けがなされてきた。今回、SoCにおいてもその違いが一層際立ち、M36の構成はヘビーユースよりも普段使いに適したモデルである可能性が高い。
ただし、バッテリー容量や指紋センサー位置など、昨年のM35と同様の特徴が継承されるとすれば、単純な下位互換ではなく、長時間駆動や片手操作性といった実用面を重視したアプローチに徹しているともいえる。
Android 15搭載で示唆されるアップデート戦略と長期利用前提の設計
Galaxy M36のプロトタイプがAndroid 15でテストされていた点は、製品リリース時に最新OSを搭載する意志を示している。これにより、ソフトウェア更新への信頼性が向上し、今後のセキュリティパッチや機能追加の恩恵を長期間享受できる設計が意識されていると捉えられる。
特にOne UI 7との組み合わせは、Samsung独自のUI機能が最新のAndroid仕様に対応することを意味しており、既存のアプリ互換性やシステム安定性に対しても前向きな展開が見込まれる。こうした姿勢は、買い替えサイクルの長期化が進む中で、端末の長寿命化を求める声に応える動きとも一致する。
Androidの主要バージョンを最初から搭載することは、アップデート対象から漏れやすい低価格帯モデルの弱点を補う意味もあり、エントリーモデルであっても快適な環境を求める層に向けた誠実な構成と言えるだろう。
Source:GSMArena