アルファベット(GOOGL)は2025年第1四半期決算を4月24日に発表予定であり、広告需要の軟化懸念が広がる一方で、AI統合による検索機能の高度化、YouTubeのブランド広告成長、そしてGoogle Cloudの契約拡大が注目を集めている。

アナリストはEPSの前年同期比6%超の伸長を予測し、同社が4四半期連続で予想を上回ってきた実績が信頼感を高めている。株価が年初来21%以上下落する中で、平均目標株価は35%超の上昇余地を示し、長期視点での投資機会との見方もある。

検索・動画・クラウドの三本柱が業績の安定成長を牽引しており、加えてYouTube TVやGemini AIなどの新サービス群が収益の多角化と持続性を支える構図も鮮明となっている。

検索・クラウド・YouTubeが牽引するAlphabetの第1四半期展望

Alphabetは2025年第1四半期の決算発表を4月24日に控え、主力事業である検索、YouTube、クラウドの3部門の業績に注目が集まっている。検索ではAIによる「AI概要」や「Circle to Search」などの機能導入が、ユーザー体験の向上と広告効果の強化を同時に実現しており、広告主の評価も高い。YouTubeは特に短尺動画「Shorts」の収益化が進展しており、ブランド広告とダイレクトレスポンス広告の双方で需要が拡大している。

一方、クラウド部門も前年比で契約数が大幅に増加し、2024年には10億ドル超の大型契約を複数獲得した。契約数の増加はAIデータベース、サイバーセキュリティ、データ分析などの需要の高まりによるものである。これらの分野は今後も成長が継続すると見られている。また、Google WorkspaceにはGemini AIが搭載され、生産性向上ツールとして企業ユーザーへの訴求力が増している。

過去4四半期にわたりアナリスト予想を上回る決算を実現してきた実績を踏まえると、今回も良好な結果を示す可能性は十分にある。ただし、広告収益はマクロ経済の逆風を受けており、全体としては慎重な見方も根強い。とはいえ、AI導入を軸とした各事業の成長が堅調である限り、Alphabetは依然として強力な収益基盤を維持すると考えられる。

バリュエーションの魅力が高まる中でのアナリスト評価

GOOGL株は年初来で21%以上下落しており、市場環境の不安定さを反映している。しかしながら、アナリストの平均目標株価は202.06ドルと、現在の水準から35%超の上昇余地を示しており、評価は一貫して「強い買い」とされている。この背景には、決算を控えたタイミングにおける事業の底堅さと将来性への期待がある。

EPSは前年同期比で6.35%の増加が予測され、これは検索広告やクラウド収益の継続的な伸長が主因であると考えられる。また、YouTubeにおける新しい収益源としての「YouTube TV」や「YouTube Music」も安定成長を見せており、サブスクリプション事業としての基盤が確立されつつある。

株価の下落は一時的な市場の不安や関税などのマクロ要因による部分が大きく、企業のファンダメンタルズとは乖離している可能性もある。そのため、今期の決算内容が予想通りであれば、株価の調整局面を割安な投資機会とみなす市場参加者は増えると予想される。今後の注目点は、AI関連投資の回収フェーズへの移行と、それが利益率にどのように反映されるかであろう。

Source: Barchart