人工知能を活用した投資戦略を展開するインテリジェント・アルファのCEO、ダグ・クリントンは、NVIDIA(NVDA)を「AI関連で最も有望な銘柄」と明言した。CNBCのインタビューにて、同社株はフォワードPER21倍という比較的抑えられた評価でありながら、堅調な利益予測が示されていると述べた。
また、中国市場のリスクが後退し、AIへの巨額投資が今後も継続する見通しである点を強調。特にクラウドインフラ大手によるチップ購入が下支えするとして、今後も需要の拡大が加速すると見られる。年内のEPS予測は4.42ドル、2026年には5.67ドルと成長が見込まれる中、直近1ヶ月での株価下落(-18%)を一時的要因と見る声もある。
NVIDIAがAI投資の中心に浮上 インテリジェント・アルファが選定した理由

インテリジェント・アルファCEOのダグ・クリントンは、NVIDIAを「AI関連で最も魅力的な銘柄」と位置づけた。同社はAIを用いて投資ポートフォリオを構築する戦略を取っており、その分析に基づき、NVIDIAのファンダメンタルズを高く評価している。具体的には、2024年のEPS見通し2.99ドルに対し、2025年には4.42ドル、2026年には5.67ドルと着実な成長が見込まれており、現在の株価はフォワードPER21倍にとどまる。これはAIバブルと呼ばれる一部銘柄と比べ、割安感すらある水準である。
中国市場のリスクは既に後退し、クラウド大手企業によるAI投資が経済状況に左右されず継続するとの前提も追い風となっている。生成AIや推論モデルの高度化により、AI半導体の需要は一段と強まる公算が高く、NVIDIAの成長余地は今後数年にわたって拡大し続ける可能性がある。株価が直近3ヶ月で30%下落しているという点は投資家の慎重姿勢を反映しているものの、業績見通しとのギャップは中長期での評価修正につながるだろう。
AI需要の加速がもたらすチップ市場の構造変化
ダグ・クリントンは「AIへの需要は今後さらに増加し、成長のスピードも加速する」と述べており、この視点はNVIDIAの供給体制と市場戦略の再評価を促す。とりわけクラウドインフラの構築に欠かせないGPUの需要が、景気後退局面でも減退しにくいことが強調された。マイクロソフトやアマゾンなど、ハイパースケーラーと呼ばれる大手クラウド事業者は、AIプラットフォームの強化を中長期的に優先課題としており、その恩恵を受ける形でNVIDIAの収益基盤が支えられている。
AI銘柄全体が下落傾向にある中、同社が持つ競争優位性はむしろ際立ちつつある。クリントンの発言によれば、AI関連の成長予測が株価に十分織り込まれていない状況であり、今後の市場環境によっては株価が再浮上する展開も視野に入る。短期的な調整局面を経て、投資家の視点が再び業績本位へと戻る局面が訪れれば、同社の持つ技術優位と供給能力が正当に評価されることとなろう。
Source:msn