AMDは、上位モデル「Radeon RX 9070/9070 XT」に続き、Navi 44アーキテクチャを採用したミドルレンジGPU「Radeon RX 9060 XT」を5月18日に正式発表する可能性が浮上している。これはComputex直前のタイミングであり、6月の市場投入も視野に入る。
9060 XTは、2048基のストリームプロセッサと128ビットのメモリバスを備え、8GBまたは16GBのメモリ構成が想定されている。性能面では上位モデルに迫る一方で、帯域幅の制約が懸念点とされる。
さらに中国市場向けに開発されるとされる「RX 9070 GRE」も噂されており、Navi 48 XLを基盤とした12GB仕様で年内登場が予測されているが、グローバル展開は未定である。AMDは競合するNvidiaのRTX 50シリーズを意識し、価格と性能の両立を図る姿勢が見て取れる。
5月18日発表とされるRX 9060 XTの構成と性能の実態

Radeon RX 9060 XTは、Navi 44アーキテクチャを採用し、2048基のストリームプロセッサを搭載した2モデルが登場するとの報がある。メモリ構成は8GBおよび16GBの2種で、メモリバス幅は128ビットに限定されており、これによりメモリ帯域幅はRX 9070シリーズの半分に抑えられると見られている。上位機種であるNavi 48搭載モデルとの性能差は、主にこの帯域幅とバス幅の制限によって明確化されるだろう。
一方で、価格帯は中位クラスに据えられることが予想され、競合であるNvidia RTX 50シリーズに対するAMDの価格戦略の一環として注目される。パフォーマンスと価格の均衡を図るこのGPUは、ミドルレンジ帯における消費者ニーズに合致する可能性が高い。特に上位機の在庫不足や価格高騰に悩む市場においては、コストパフォーマンスを重視するユーザーにとって現実的な選択肢となるだろう。
Navi 44とNavi 48の差異が示す今後の製品戦略の方向性
RX 9060 XTの採用するNavi 44は、同世代の上位チップNavi 48と比較してコア構成・帯域幅に制限がある点が注目される。この構成は、AMDが製品ラインナップにおける明確な階層化を図る意図があることを示唆している。9060 XTがパフォーマンス面で上位モデルに「迫る」とされながらも、帯域幅で制限される構成とされている点は、製品間の競合を避けつつ市場セグメントを分断する戦略と読み取れる。
さらに、このチップの発表タイミングがComputex開催前日とされる点も重要である。主要な業界イベントを前にして発表を行うことで、他社発表とのバッティングを避けつつ、自社製品に対する注目度を最大化する狙いが読み取れる。加えて、グローバル市場ではなくまず中国市場向けに展開されるとされるRadeon RX 9070 GREの存在も、AMDの地域別戦略の一端を示している。地域特化型の製品投入が、供給調整と市場試験の両面で戦略的意味を持つと考えられる。
Source:Tom’s Guide